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《ブラジル》経済防衛行政審議会が新たなカルテルの捜査開始=14年W杯の競技場建設で=ペトロブラスの建物も?

コパ・アメリカの決勝戦でも使われたマラカナン・スタジアム(ウィキペディア)

 経済防衛行政審議会(Cade)が17日、2014年のW杯にまつわる競技場建設やペトロブラスの施設建設で組まれたカルテルに関する捜査を始めた事を明らかにしたと同日付現地紙サイトが報じた。
 カルテルとは、複数の企業が連絡を取り合い、本来なら各企業が各自で決めるべき製品の価格や生産数量などを共同で取り決める行為だ。企業同士の利益を守るためのカルテルは、消費者の利益を損ない、経済の非効率化を招くため、国民経済の健全な発展を阻害する怖れがある。
 W杯との関連でカルテルが疑われているのは、マネ・ガリンシャ(ブラジリア)、マラカナン(リオ)、ミネイロン(ベロ・オリゾンテ)の三つのスタジアムと、アマゾニア(マナウス)、ドゥナス(ナタル)、フォンテ・ノヴァ(サルバドール)、ペルナンブコ(レシフェ)、カステラン(フォルタレーザ)の五つのアレーナの建設工事や改修工事だ。
 競技場に関する工事でのカルテルに加わったと見られているのは、アンドラデ・グチエレス、カリオカ・エンジェニャリア、カマルゴ・コレア、OAS、ケイロス・ガウヴォン、デルタ、グループ・オデブレヒト、ヴィア・エンジェニャリアの8社で、関係者36人も捜査対象となっている。
 Cadeによると、これらの企業は、ブラジルでのW杯開催が決まった2007年10月から互いに連絡を取り始めており、2008年の後半にその動きが活発化。その関係は、少なくとも、事業契約が結ばれた2011年の半ばまで、保たれていたという。
 W杯絡みのカルテルに関する捜査は、アンドラデ・グチエレスのレニエンシア(企業による報奨付供述)が糸口になっているという。14年のW杯は広大な国土に12もの会場を設けて開催されたが、競技場や周辺部で予定されていた工事が期日までに完成せず、巨額の負債を抱えたままなどの問題も起きている。
 他方、ペトロブラスの施設建設に関する捜査のきっかけはカリオカ・エンジェニャリアによるレニエンシアだ。捜査対象は、同社やコンストゥルバゼ、コンストゥルカッピ、アンドラデ・グチエレス、オデブレヒト、OAS、カマルゴ・コレイア、ケイロス・ガウヴァンなど、13社と関係者23人となっている。
 カルテルが疑われている施設は、リオ州のレオポウド・アメリコ・ミゲス・デ・メロ研究センターと技術情報データ解析統合センター、エスピリトサント州ヴィトリアの同社社屋の三つだ。Cadeによると、前記13社は、2社または数社で集まって情報交換し、請け負う事業を配分した上、事業計画書の作成や入札関連のプロセスもコントロールしあっていたという。