7月18~20日に行われている「第62回全伯日本語教師研修会」で講師を務めるために来伯中の、学校法人江副学園新宿日本語学校の江副隆秀校長(68、東京都)と、広報・ポルトガル語担当のルイス・マルチネス先生(37)が18日に来社し、新しい江副式の教材や日本の日本語教育業界の現状について語った。「120人の生徒がいる」というフランス分校で教えた後、ブラジルまで足を伸ばした。
独自の日本語教授法「江副式教授法」で外国人に日本語を教えている江副校長は、講師として同研修会に10年間連続で参加している。18日の同研修会開講式では、ブラジル日本語センターの日下野良武理事長から顕彰プレートが授与された。江副校長は「毎年1~2週間来ている。その活動が認められたのは嬉しい」と喜ぶ。
楽しみながら学習できる教材として、日本語教科書とスマートフォンのアプリケーションを紹介。日本語教科書の写真をアプリで読み込み動画をダウンロードすると、実際に会話する様子や文字の覚え方、日本語独特のニュアンスを感情認識ヒューマノイドロボットのペッパーくんが解説する様子が流れる画期的なツールだ。
江副校長によれば、教科書をスキャンすると音声が再生される「サウンドリーダー」と使い分けて利用すると効果的。
日本語教育業界では「ここ数年で日本語学校は400校から700校に増えた」と説明。だが、新宿日本語学校はそのブームに乗ろうと考えず、あえて生徒数は現状維持の550人。「でもブラジル人はほとんどいなくて、アジア系がほとんど」。
国内でも、「遠隔での講座」を行う。工場地帯である山形県は働く外国人は多いが、日本語教室がほとんどない。そのような周りに日本語教育機関がない地方や、ミャンマー等の外国人に人気の講座となっている。
ブラジルについては「10年前は、日本語教育を受けるのは日系人ばかりだったが、今は非日系人の勢いが凄い」と感想を述べ、当地の変化も実感していた。