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サンパウロ市=SUSの利用者増加傾向=景気低迷で保健プラン減少

 サンパウロ市の市立病院の救急外来利用者(緊急外来は除く)が、人口増加率を上回るペースで増えていると21日付現地紙が報じた。
 市立病院は統一医療保健システム(SUS)が使え、診察や病院内での投薬、検査などは全て無料の上、24時間対応してもらえる。
 問題は、受付から診察や検査までに時間がかかる事で、タツアペにあるカルミノ・カリシオ病院などの待合室はいつも、診察や投薬などを待つ人で溢れている。
 カルミノ・カリシオ病院の場合、1~4月の利用者数(診察を受けた人の総数)は、17年1~4月より3300人(21%)増えたという。
 この傾向は他の市立病院でも同様で、今年の1~4月に診察を受けた利用者の数は、昨年同期より10%増えたという。サンパウロ市の人口は17年~18年に8・2%増えたと見られており、利用者数が人口増加率以上に伸びた事は明らかだ。
 専門家は、市立病院の利用者が増えたのは、景気低迷や失業率の高止まりにより、有料の保健プランの新規契約や契約更新が出来ないまたは諦めた人が増えたためと見ている。サンパウロ市在住の保健プラン利用者は、昨年末現在で570万人とされ、年々減少傾向にある。17年から18年にかけては、48万人が保健プランを抜けたという。
 ただ、市立病院を含む公的医療機関でSUSを利用する患者の最大の悩みは、特別診療科などの予約が入れられない事。今年の対応数は昨年より増えたというが、市全体では特別診療科の予約を入れるまでに平均85日かかる。市東部の平均は109日で、イタイン・パウリスタ区では148日かかっているという。