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サンパウロ市=麻疹患者5週で11倍に=学校でも予防接種始める

麻疹の予防接種には3種混合ワクチンが使われる(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 サンパウロ市保健局の発表によると、同市での麻疹(はしか、ポルトガル語はサランポ)の真性患者は6月17日~7月22日の5週間で11倍に増えており、学校や軍警の大隊本部でも予防接種を行う事になったと22、23日付現地紙、サイトが報じた。
 麻疹は感染力が強く、1人が罹患すると、11~18人が感染すると言われている。サンパウロ市での7月22日現在の真性患者は、6月17日に報告された32人比1034%増(11倍強)の363人に達している。擬似症患者も約800人で、6月17日の147人比444%増(5・5倍)だ。真性患者363人中226人は、7月に入ってから確認された。
 状況を重く見た市役所は、幼少期の予防接種率が低く、感染の危険度が高い15~29歳の青少年300万人を対象とする予防接種を、学校や軍警本部でも行う方針を固めた。サンパウロ州の患者484人(15日現在)の内、約半数は同年齢層の青少年が占めている(人口比では約20%のみ)。
 サンパウロ市を含むサンパウロ州の予防接種キャンペーンは6月10日から始まり、20日(土)を保健所なども解放して予防接種を行うXデーに指定。予防接種用のポストはショッピングセンターや公共交通機関の駅などにも設けられているが、現時点での予防接種率は6%のみだ。
 また、サンパウロ市役所は、擬似症患者発生地区にある会社などが予防接種の実施を拒んだ場合に、該当する会社や団体を21日間強制的に封鎖する方針も固めている。
 なお、サンパウロ市内にある市立と州立の高校での予防接種と各生徒への啓蒙活動は、7月31日から始まる。州立大学での予防接種は24日から開始される。