【既報関連】連邦警察は23日、セルジオ・モロ法相とラヴァ・ジャット(LJ)作戦担当検事のデルタン・ダラグノル氏らのスマートフォンに不正にアクセスし、通信内容を暴露した容疑で、4人を逮捕した。24日付ブラジル各紙が報じた。
逮捕されたのは、サンパウロ市在住のグスタヴォ・サントス容疑者と妻のスエレン・デ・オリベイラ容疑者、アララクアラ市在住のヴァルテル・デルガッチ・ネット容疑者と、警察が身元を明らかにしていないリベイロン・プレット市在住の男性の計4人だ。4人の身柄はブラジリアに移された。
4人の逮捕はスポーフィング作戦の一環で、在ブラジリア連邦裁判所第10法廷のヴァリスネイ・デ・ソウザ・オリベイラ判事が期限付逮捕状4通、家宅捜索令状7通を発行した。
グスタヴォ・サントス容疑者の弁護士、アリオヴァウド・モレイラ氏は、「逮捕状を見ていないので、容疑の内容がわからない。裁判所に詳細情報を請求中だ」と語った。サントス容疑者と、スエレン・デ・オリベイラ容疑者は、弁護士同伴でなければ供述しないとしている。
モロ法相らのスマートフォン不正ハッキング事件の捜査は秘密裏に継続される。同作戦の責任者は、2005~06年にメンサロン捜査を仕切ったルイス・フラヴィオ・ザンプローニャ警部だ。
モロ法相、ダラグノル検事の他に、2人の判事と2人の警部もスマートフォン不正アクセスの被害に遭ったと家宅捜査令状には記載されている。
モロ法相がLJ裁判の判事だった時代に、テレグラムというメッセージアプリを使ってダラグノル検事と交わしたとされる通信の内容は、ニュースサイト「ジ・インターセプト・ブラジル」で暴露され、大きな波紋を呼んでいた。その内容からは、本来中立であるべき判事が検事と結託し、被告のルーラ元大統領を恣意的に有罪に追い込んでいたことなどが窺えるが、2人は暴露内容が本当だとは認めていない。
モロ法相は、「汚職捜査の進行を妨げ、断罪された人物への刑の実行を防ぐこと、或いは単に司法機関攻撃を目的とする組織的犯罪グループが私のスマートフォンに不正にアクセスした」としている。
ニュースサイト「ジ・インターセプト・ブラジル」側は匿名の提供者から情報を受け取ったとし、出所を明らかにしていない。
連警幹部のマウリシオ・ヴァレイショ氏は、サイト運営者のジャーナリスト、グレン・グリーンウォルド氏は捜査対象に入っていないとした。
また、連警は23日、連邦議会政府リーダー、ジョイセ・ハッセルマン下議(社会自由党・PSL)とパウロ・ゲデス経済相のスマートフォンも不正にアクセスされた疑いがあり、捜査を始めることを明らかにした。