ミナス州ブルマジーニョで起きた鉱滓ダム決壊事故から6カ月になるが、大量の鉱滓が流れ込んだパラオペバ川は今も死んだ状態のままで、生物が戻って来る時期の目処は立っていないと23日付現地紙サイトが報じた。
パラオペバ川周辺の住民は、飲み水や生活の糧を得、収入源でもあった川が、泳ぐ事も釣りをする事も出来ない死んだ川となっていく様子をつぶさに見て来た。
事故以来、ベロ・オリゾンテ(BH)大都市圏に供給される水の30%を担い、命の源でもあった川は、生物の気配さえない川となりはて、ただ、静かに流れている。BH大都市圏への水の供給は、15年12月に始まった。だが、現在の取水口は鉱滓流入で使用出来ず、来年以降、より上流に新たな取水口を設ける工事が行われる事になっている。
現在のパラオペバ川には、水質管理のための施設が14カ所ある。内7カ所は事故前からあり、事故の前後の水質の比較も出来る。誰の目にも明らかな差は水の濁り具合(濁度)だ。
1リットルの精製水にホルマジンという化学物質1ミリグラムを分散させた濁り具合を濁度1とすると、事故以前は濁度100以下だった水が、事故後には取水口付近で3万4千度、よりひどい所では6万7千度に達したという。
現在は鉱滓が沈殿し、大雨などが降らない限りは濁度もかなり落ちているが、雨季が来れば再び水質が落ち、生活用水などに使えない状態が起きうる。アルミニウムやマンガン、鉄などの値にも変化があったが、少なくとも、3月以降は鉛や水銀、銅などは検出されていないという。
なお、非政府系環境団体のSOSマタ・アトランチカは3月に、パラオペバ川を経た鉱滓がサンフランシスコ川にも流れ込んだと発表したが、ミナス州水管理研究所(Igam)によると、鉱滓が流れ込んだか否かは確認出来ていないという。
同研究所は、鉱滓はレチロ・バイショの貯水ダムから先には流れ込んでおらず、サンフランシスコ川の水源地は鉱滓による汚染や汚濁を免れていると見ている。だが、鉱滓や鉱滓に含まれていた金属類が水源地に流れ込む危険性は完全には否定出来ない事も認めている。
他方、Vale社は6月に、決壊したダムからパラオペバ川までの区間にある鉱滓が川に流れ込むのを減らし、鉱滓混じりの水の処理場と汚水を処理場に導く設備が完成と発表。同処理場の処理能力は200万リットル/時で、現在の川の流水量には十分対応出来る。だが、流水量が増える雨季は拡張工事が必要になると見られている。
同社では、川底の鉱滓を取り除く作業や、より細かい固形物を捕らえ、水は通すような障害物の設置、水門付のダムの建設も進めている。(続く)
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