ブラジリア連邦地裁第10小法廷のヴァリスネイ・デ・ソウザ・オリヴェイラ判事は23日、ブラジルの建設大手オデブレヒト社がアンゴラ共和国での事業を受注できるように便宜を図っていた容疑で、ルーラ元大統領らが被告となっていたジャヌス作戦関連裁判において、同元大統領らの罪状の一部免除を決めた。25日付ブラジル各紙・サイトが報じている。
オリヴェイラ判事は16年10月に、ルーラ元大統領やその甥ら、計11人を対象とした訴状を受け取っていた。
ルーラ被告には、収賄や資金洗浄、影響力不正行使、犯罪組織形成容疑がかけられていたが、同判事は、ルーラ被告は別の裁判でも同じ容疑をかけられていると判断し、罪状から犯罪組織形成を除いた。同判事はさらに、訴状に書かれている不正契約の一部(17件、総計2千万レアル分)に関わる資金洗浄容疑も除いた。
これで、ジャヌス作戦関連裁判でルーラ被告が問われる容疑は、取り除かれたのとは別件の資金洗浄(730万レアル+35万5千ドル分)、影響力不正行使、収賄となる。
23日の判断により、ジャヌス作戦関連裁判の被告人は、ルーラ、タイグアラ・ドス・サントス、エマヌエル・ラモスの3人だけになった。オデブレヒト社元社長、マルセロ・オデブレヒト氏も被告だったが、報奨付供述により、刑事責任は一時免除されている。
オリヴェイラ判事は、17件2千万レアル分の資金洗浄の容疑を免罪する際、「ルーラ被告らが犯罪行為に加担したことを明確に示すだけの根拠に欠ける」と述べた。だが、裁判続行と判断した他の資金洗浄容疑や収賄などに関しては、「『刑事裁判を開始するに足る』と判断できるほどの証拠が提出されている」と語った。
ルーラ元大統領の弁護士、クリスチアーノ・ザニン・マルチンス氏は同日、「司法はルーラ被告に罪はないとの主張の一部を受け入れた。本件に関しては、検察が咎めているような犯罪行為は一切なく、裁判の全面的な終了を目指す」と書面で発表した。