ブラジルのデジタル銀行、バンコ・インテル(本社所在地はミナス州ベロ・オリゾンテ)が7月30日、日本のソフトバンクグループから7億6千万レアル(約220億円)の投資を受けたと発表したと、7月31日付ブラジル紙が報じた。
バンコ・インテルが株式を新規発行し、それをソフトバンクグループが購入する形で、この投資は行われた。これで、ソフトバンクはバンコ・インテルの株式全体の8%の保有者となった。
バンコ・インテルへの増資額は12億4千万レアルで、ソフトバンクが投入した資金の他に、旧来のバンコ・インテルの株主や創業のメニン家、一般株主が新株の引き受け先となる。今回のオペレーションにより、メニン家の持ち株比率は16%となった。
バンコ・インテルの株式公開は昨年4月だが、直近12カ月で株価は447%、今年に入ってからだけで144%上昇していた。
ソフトバンクはこれまでも、ブラジルのフィンテック企業への出資に熱意を示してきた。「フィンテック」は「金融(ファイナンス)」と「技術(テクノロジー)」を組み合わせた造語で、身近な例ではスマートフォンを使った送金事業などがある。
ソフトバンクグループは7月、ブラジルのオンライン金融会社クレディタスに2億3100万ドルを投資した。クレディタスはこの資金を使ってラテン・アメリカ地域に事業を拡大する予定だ。
ブラジル紙は、「ソフトバンクグループは、ラテン・アメリカ諸国のスタートアップ企業に投資するために50億ドルの投資ファンドを設立。既に、オンラインのバイク便会社LoggiやRappiに、各々、1億5千万ドルと10億ドルを出資している」とも報じている。
バンコ・インテルは、今回の資金調達で、金融部門以外の業種でも、事業拡大を狙っている。同社が金融部門以外で最初に進出を狙っている業種は旅行業と見られているが、バンコ・インテルのジョアン・ヴィトル・メニン総裁は、「世の中が思いもよらないような計画を実行するために私は株式公開し、資金を調達した」と語っている。
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