リオ連邦大学(UFRJ)のデニーゼ・デ・カルヴァーリョ学長が5日、学内の活動の一部が今月から停止の危機にあると明かしたと同日付現地紙サイトが報じた。
全ての連邦大学では5日から今年下半期の活動が始まったが、連邦政府からの予算支出が大幅に削られたため、UFRJでは諸活動の継続が難しくなっているという。
デニーゼ氏によると、7月の連邦政府からの予算支出は、2500万レアルに対して1500万レアルで、40%削減されている。
40%に上る支出削減は、それ以前の予算凍結で生じた赤字や種々の支払いの遅れに伴う問題をさらに深刻化させる。UFRJでは、構内の清掃や施設管理、警備に関する業務契約の支払いが2カ月分遅れており、今月も支払えなければ、これらの業務契約は解約される。予算カットの対象には資材費や研究活動費も含まれており、教育部門も含めた活動の継続が困難になってきている。
デニーゼ氏がより懸念するのは保健・衛生部門への影響だ。大学病院内でも外注業務停止の影響はあるが、連邦政府による予算凍結は光熱費や資材費などの節約も強いるため、大学病院での手術や入院患者への食事提供も継続出来なくなる。
デニーゼ氏は2日に、7月の予算支出の差額1千万レアルの追加支出を要請したが、この要請が通らなければ、今月中にも外注業務が停止される上、同大が提供している医療や教育面のサービスの一部も停止せざるを得なくなる。
教育省の予算凍結(削減)は、自助努力だけでカバー出来るレベルではない。4月に発表された予算凍結は、63の連邦大学と38の研究・教育機関に、非義務的経費を大幅に削減する事を要求した。UFRJはその一例に過ぎず、学生支援業務や教職員給与、年金の支払いには影響は出ていないものの、外注業務関連の支払いや、光熱費、工事関連経費、資材費、研究費などの非義務的経費の予算削減率は41%に上っている。
4月に発表された連邦大学関連の経費カットは17億レアルで、非義務的経費の24・84%に相当する。教育省予算については、7月30日にも、3億4847万レアル分の追加凍結が連邦官報で報じられた。