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《ブラジル》ダラグノルLJ主任=メンデス判事の捜査も試みる=PSDB捜査に強引に関連付け=検察庁長官の権限を無視

メンデス判事(Nelson Jr./ASCOM/TSE)

 5日、「ヴァザ・ジャット」の新たな報道が行われ、連邦検察パラナ支部のラヴァ・ジャット(LJ)捜査班主任のデウタン・ダラグノル捜査官に新たな疑惑が浮上した。それによると、同氏は、ジウマール・メンデス最高裁判事の休職、罷免をかねてから望んでおり、民主社会党(PSDB)の捜査に関連付けて捜査を行おうとしていたという。
 「ヴァザ・ジャット」の報道元「ジ・インターセプト・ブラジル」が新たに提携したエル・パイス・ブラジルが5日に報じたところによると、今年の2月19日に、サンパウロ州道路開発公社(DERSA)元局長でPSDBの汚職工作を仕切っていたとされるパウロ・ヴィエイラ・デ・ソウザ(通称パウロ・プレット)容疑者が逮捕された際、ダラグノル捜査官は同僚捜査官らとの通信アプリ「テレグラム」での会話で、メンデス判事とプレット容疑者がスイスに持っていた口座やカードなどの関係を調べさせようとしたりしたという。
 メンデス判事はそれまでに2度、プレット容疑者がスイスに作ったとされる隠し口座に関連する容疑で逮捕された際に釈放命令を出していた。
 会話では、スイスでの捜査では隠し口座とカードの一部はメンデス判事向けとの情報ありとする同僚捜査官に対し、別の捜査官が「メンデス判事を捜査? それはできないよ」と、書き込んだりもしていた。憲法によれば、最高裁判事の捜査を承認できるのは検察庁長官のみだ。
 だが、ダラグノル捜査官は、「スイス当局にパウロ・プレット氏の隠し口座関連のカードに特化した捜査を依頼してはどうだろう」と提案したという。それは、サンパウロ州のLJ捜査班から「プレット氏はメンデス氏に口座のカードを与えている」という噂が流れていたためだという。
 ダラグノル氏はプレット氏が最高裁に電話をかけていないかも調べさせており、その結果、PSDBの重鎮政治家で前外相のアロイージオ・ヌーネス氏が2月11日に電話をかけていたことをつきとめた。これにより、アロイージオ氏も捜査対象となった。アロイージオ氏とメンデス氏は長年の友人だ。
 また、これより半年ほど前の18年7月にダラグノル捜査官は、「ラケル・ドッジ検察庁長官はメンデス判事と向き合おうとしないが、世間は同判事の罷免を求めている」と発言している。
 今月1日に漏れた情報では、ダラグノル捜査官が2016年に、現最高裁長官のジアス・トフォリ(当時判事)を捜査しようとしたことが報じられている。5日の報道では、同捜査官が17年4月20日に、両判事が最高裁をクビになることを願う、と書き記したことも報じられている。