ブラジルのサッカー界では、どんな優秀な監督でも3年持てば長期政権。特に2003年以降は、最も続いた監督でも3年半しか続いていない。
そうした事実を印象付ける出来事がまた起きた。クルゼイロが、7日のブラジル杯準決勝第1試合での対インテルナシオナル戦での敗戦後、監督のマノ・メネゼス氏を解任したのだ。
メネぜス氏と言えば、国内でも屈指の指導者で、2010年から12年にはブラジル代表も指揮している。クルゼイロの監督は2016年から引き受けており、チームの財政上の問題もあって目立った大型補強を行わない環境下で、2017、18年にブラジル杯2連覇。だが今季は不振で、国内リーグの全国選手権では2部降格争いに加わるなど、調子が上がっていなかった。
今回あえなく解任されてしまったマノ氏だが、それでも2003年以降で見てみると、在任37カ月は3番目に長い数字となる。
以下が、2003年以降のブラジル国内クラブの監督長期在任の上位10傑だ。
1位ムリシー・ラマーリョ(サンパウロFC・2006~09年・42カ月)、2位チッチ(コリンチャンス・2010~13年・38カ月)、3位マノ・メネゼス(クルゼイロ・2019~19・37カ月)、4位レナト・ガウショ(グレミオ・2016~・35カ月)、5位マノ・メネゼス(コリンチャンス・2007~10・32カ月)、6位マノ・メネゼス(グレミオ・2005~07年・32カ月)、7位マルセロ・オリヴェイラ(クルゼイロ・2012~15・30カ月)、8位アジウソン・バチスタ(クルゼイロ・2007~10年・30カ月)、9位チッチ(グレミオ・2001~03年・30カ月)、10位クッカ(アトレチコ・ミネイロ・2011~13年・29カ月)。
1位は2006年から08年にサンパウロを全国選手権3連覇に導いたラマ―リョ氏。同氏はサントスの監督だった2011年にクラブ南米一にも輝いている。2位のチッチは現ブラジル代表監督で、12年にはクラブ南米一、さらにクラブ世界一にも輝いている。4位のレナト・ガウショは2017年、10位のクッカも2013年にクラブ南米一を経験と、長期政権を任されている監督は、いずれも大きなタイトルを獲得している。
中でも3チームで上位10傑に入り、ブラジル代表も率いたこともあるメネぜス氏の安定した力量は光っている。
だがそのような結果を残していても、目前の試合で結果が出せなければ、すぐに首を切られるのがブラジル。それほどまでに厳しい仕事なのだ。
なお、現在もグレミオの監督をつとめるレナト・ガウショが、さらに8カ月監督を続けると、2003年以降では最長となる。グレミオは現在、ブラジル杯で準決勝、南米一を争うリベルタドーレス杯でも準々決勝に残っているため、どちらかで優勝すれば、長期政権1位に躍り出る可能性は少なくない。(8日付グローボエスポルテより)