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《ブラジル》社会保障制度改革審議、上院でも本格化=既に定数の6割以上の議員が賛成

下院で承認された社会保障制度改革案を手渡すロドリゴ・マイア下院議長(中央右)と、受け取るダヴィ・アルコルンブレ上院議長(中央左)(Michel Jesus/Camara dos Deputados)

 ブラジル連邦下院議会で承認された社会保障制度改革案の審議が、今週から上院で始まる。
 まずは憲政委員会(CCJ)で審議され、その後、上院本会議で審議、採決となる。承認のためには上院議会の定数81の60%、49票以上の賛成が2回必要だが、ブラジル現地紙の調査では既に、53人の議員が社会保障制度改革案に賛成の意向を示している。
 調査では53人が賛成、13人が反対、4人が「決めかねている」と返答。10人は回答しなかった。残る1人は、ダヴィ・アルコルンブレ上院議長(民主党・DEM)だ。
 政府は更なる賛成票の上積みを狙っている。経済省社会保障特別局のロジェリオ・マリーニョ局長は、「社会保障制度改革の重要性は、ブラジル社会でも理解が進んできた」と語る。
 また、「賛成する」と答えた議員の内、11人は、「年金受給条件の変更対象に地方公務員も含めることが条件」としているが、上院審議の過程で、下院から送られてきた改革案にこれを書き加えてしまうと、上院承認後に下院での差し戻し審議が必要となるため、下院から送られてきた改革案はそのまま承認し、同時に上院発の、「地方公務員年金制度改革案」を作成して通し、それを下院に送るという手法が取られる可能性が高い。
 また、下院での改革案審議の過程で省かれた、カピタリザソンと呼ばれる年金の運用、積み立て先を負担者が自己責任で選ぶ方式も、今後数週間の内に復活させた上、今週から審議し始める改革案とは別個の憲法改正案として、議会に送られる模様だ。(11日付エスタード紙より)