1月25日に鉄鉱大手Vale社の鉱山で起きた鉱滓ダム決壊事故後、犠牲者の遺体捜索活動が続くミナス州ブルマジーニョで、別の鉱滓ダム決壊の可能性が指摘され、住民に退避命令が出たと12日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
決壊の可能性が指摘されているのは、約10年前から放置状態のエミコン・ミネラドーラ・エ・テラプラナージェン社のダムだ。
市防災局の予想では、ダム決壊が起きた場合に鉱滓が襲うと思われる地区の住民は、9世帯、約40人で、その中でもより危険度が高い(決壊時に逃げる余裕がない)とされるケイアス地区の住民、4世帯19人に退避命令が出た。
防災局によると、問題となっているダムが決壊すれば、連邦道381号(フェルナン・ジアス)も最大で3カ所、鉱滓を被る上、パラオペバ川の支流で、ベロ・オリゾンテ大都市圏への水の供給で大きな役割を果たしているマンソ川に流れ込む小川も汚泥流入の被害を避けられないという。
退去の費用は全てエミコンが負担する事や、滞在先としてホテルなどの宿泊施設を希望するのか、地域にある家屋を希望するかの確認も行う事などを含めた裁判所の命令は7日に出、12日に官報に掲載された。
ブルマジーニョ市は12、13の両日に、市職員やエミコン社の役員、州防災局、州検察局、国家鉱業庁、市警、軍警、環境警察、フェルナン・ジアス道を管理するArteris社の専門家による会合を開催した。
この会合では、エミコン社に対し、リアルタイムでのダムの監視や決壊時の避難ルートの明示、警報発令のためのシステムの完備などの防災対策を早急に提示する事が求められた。
同社に対しては、2月にも、鉱山関連の諸問題解決のために100万レアルを拠出する命令が出され、B1A、B3、B4の三つのダムに関する対応が命じられた。
また、5月には、前述のダムへの新たな鉱滓投入放棄、ダムの安定性確保のための対策案確立、ダム修復計画評価のための技術者雇用、避難ルートを示す標識設置、警報システム導入が命じられた。7月22日には最初の退去命令も出たが実行されず、新たに出たのが7日の退去命令だった。
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