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《ブラジル北部》ベネズエラ難民の子供のためのサッカー教室=生活の厳しい親に一筋の救い

現在ロライマ州には3万2千人のベネズエラ人がいるとされている(参考画像・Antonio Cruz/Ag. Brasil)

 一向に解決の兆しを見えないベネズエラの深刻な政治危機、経済危機による難民流入が発生しているブラジル最北のロライマ州で、ユニセフと非政府団体のヴィザン・ムンディアルが共同運営するスポーツ学校が、サッカー、バレーボール、チェスなどのクラスを開催し、5歳から17歳までのベネズエラ人の子供や青少年がブラジル人と親睦の機会を持ち、ブラジルになじむための一助になっている。
 ロライマ州州都ボア・ヴィスタ市にある学校は、市内15カ所の難民収容施設に住むベネズエラ人子弟82人を受け入れている。
 また、この学校は巡回活動として、体育教師1人と補助スタッフ2人をベネズエラ人の居住施設に派遣してもいる。学校の目的はスポーツ(チェスは知的スポーツの位置づけ)を通して、ベネズエラ人がブラジル社会に溶け込む手助けをすることだ。
 昨年ブラジルに逃れてきたベネズエラ人のイリス・ロドリゲスさんとウンギレス・ナバーロさんには、子供が3人いる。ロドリゲスさんはブラジル人の家庭で家事手伝いなどをして日当30レアル(約840円)を稼ぎ、ウンギレスさんはコーヒーを売って生計を立てている。
 生計を立てていくのに精一杯で、なかなか子供の世話に手が回らないが、子供の1人、チャーリー・パテーテ君は、学校でのサッカーに夢中だ。「学校には本当に感謝している。息子の幸せがなにより」とイリスさんは語る。
 ブラジル国内10州で子供の教育、医療、保護に関係する活動をしており、この学校の活動にも携わっているレナタ・カヴァウカンチさんは、「子供たちはスポーツが大好き。なれないブラジルに来て、奮闘しているベネズエラ人の親にとっては、子供の笑顔を見る時が数少ない幸せなひと時」と語っている。
 この学校が直面している問題は、「活動を継続すること」だ。現状の予算は今年の12月で尽きる。それ以降の予算は寄付に頼らなくてはならない。(16日付エスタード紙より)