15日にサンパウロ市で開かれた、サンタンデール銀行主催のイベントに出席したパウロ・ゲデス経済相は、アルゼンチンの政治状況に触れ、「もしキルチネル派が選挙に勝ち、南米共同市場(メルコスール)とEUの自由貿易協定を邪魔するなら、ブラジルはメルコスールから抜ける」と発言したと、16日付ブラジル各紙が報じた。
11日のアルゼンチン大統領選挙の予備選では、キルチネル前大統領を副大統領候補とするアルベルト・フェルナンデス候補が、現職のマクリ大統領に大差をつけた。フェルナンデス候補勝勢を受け、アルゼンチンでは大規模な通貨安、株安が発生。10月末の本選挙で逆転を狙うマクリ大統領はバラマキ政策を次々と実行しているが、同国内の混乱は深まるばかりだ。
ブラジルのゲデス経済相はそれでも、「我々は自国経済を活性化させることに集中している。ブラジル経済はアルゼンチン次第ではない」と語った。
同経済相は、「米中貿易戦争は、ブラジルの国内総生産(GDP)成長率には影響しないだろう。せいぜい為替を左右する程度だ」とした。
ゲデス経済相は就任後の半年を振り返り、「我が国の経済政策は正しい道を歩んでいる。社会保障制度改革は下院を通過し、上院承認を待つのみだ。カピタリザソンが省かれたのは誤算だったが、長年の課題を取り除きつつある」と語った。
同経済相は税制改革にも意欲を見せた後、「国営企業は全て売り(民営化し)たい。話はそう単純ではないことは分かっているが、本心としてはそうだ」として、国営企業の民営化にも積極的な姿勢を示した。