連邦警察と検察庁、国庫庁、国税庁が22日、サンパウロ州サントス港での汚職摘発の「トリトン作戦」第2弾を敢行し、元下議ら19人を逮捕したと同日付現地紙サイトが報じた。
「トリトン作戦」第1弾は18年10月に実施され、サンパウロ州埠頭公社(Codesp)の総裁、理事2人、職員1人、企業家3人が逮捕された。この時は、3件の事業契約(総額3700万レアル超)を巡る贈収賄と不正入札、公金横領が疑われていた。
今回の第2弾は「シルクロ・ヴィシオゾ」と命名され、21件の逮捕令状と24件の家宅捜索令状が出た。朝9時半までの逮捕者は19人で、2人は逃亡中だ。
容疑の中核は、合計で約1億300万レアルの事業契約を巡る汚職の調整役で、160万レアルの賄賂を受け取ったとされるマルセロ・スクアソニ元下議だ。同氏は、グアルジャ市の市議会議長時代から、埠頭公社の役員指名などで影響力を行使しており、賄賂や諸経費の支払いと引き換えに、入札で便宜を図っていたという。
元下議は同作戦開始時はサンパウロ市におり、グアルジャの自宅が家宅捜索を受けた後、サンパウロ市の連警に出頭、逮捕された。
また、Codespの元理事や現・元職員、汚職に関与した企業関係者は、サンパウロ州海岸部のサントス、グアルジャ、イーリャベーラ、同州内陸部のブラガンサ・パウリスタ、セーラ・ネグラ、リオ州のドゥッキ・デ・カシアス、セアラー州のフォルタレーザで逮捕された。
不正が指摘された契約は、サントス港の警備関連(契約額は10年間で1億レアル超)と、18年に結ばれた、無人機(ドローン)を使ったターミナル監査(契約額270万レアル)の二つだ。これらの契約での不正は、第1弾で逮捕された容疑者や埠頭公社の理事会が指摘していた。
現在の埠頭公社理事会は、運営の透明化や運営管理体制の改善、捜査・監査機関への協力を明確に打ち出しており、問題の契約は二つ共、今年に入ってからキャンセルされた。
逮捕者達の罪状は、犯罪組織形成や集団犯罪、不正入札、贈賄、収賄となっている。
サンパウロ州埠頭公社は、21日に連邦政府が発表した民営化対象の公社のリストに入っている。