南麻州日伯文化連合会(城田ジョゼ芳久会長、以下南麻州連合会)とドウラードス日本語モデル校(小森美佐子校長、以下モデル校)は、ドウラードス日伯文化体育協会会館で「南麻州日伯連合会55周年及びドウラードス日本語モデル校30周年記念式典」を18日に開催した。同連合会傘下の日本人会を始め、モデル校と親交のある学校関係者など大勢の人が周辺地域から出席した。ドウラードス日本語モデル校教師の名嘉俊雄さん(JICA青年ボランティア)からの投稿を元に報じる。
来賓には、在サンパウロ日本国総領事館の野口泰総領事、JICAブラジル事務所の佐藤洋史所長が出席。会場には関係者並びに同市に住む多くの日系人が集まり、開拓先亡者のために焼香をあげ、式典が始まった。
南麻州連合会は各地域の日系社会での教育(日本語、踊り等)に長年励んだ25人を対象に賞状と記念品を贈呈した。モデル校でも記念品とし、15年ぶりの「しおり」(学校の歴史、卒業生名簿等記載)を作成した。
同市議会からはモデル校30周年に加え、地元の日本人会66周年を祝う賞状も贈呈された。
同連合会の栗森ネリオ副会長は、「私達の先人は倫理的で道徳的な日本文化を南麻州で普及してきた」と功績を讃え、「コロニアがブラジル社会に貢献できることを誇りに思う。今後も日伯関係を強化していきたい」と日伯の懸け橋として活躍する決意を語った。
17年に故城田志津子名誉校長からモデル校の校長職を引き継いだ小森校長(三世)は、「当校は『日本語を通して、他国の文化を理解、尊重し国際社会で活躍しうる人材育成』を教育目標に掲げ、和太鼓、大正琴、そろばん、日本舞踊等も通して、ブラジル社会との交流も盛んに行っている。南麻州に日本文化の花を芽吹かせていることを誇りに思う」との感謝の言葉を述べた。
午後からはモデル校・共栄分校の踊りや太鼓が披露され、イビニェマからも太鼓グループが駆けつけた。閉会前の最後の余興では、野口総領事もカラオケを披露し、大盛況の中で閉会した。
南麻州は、故松原安太郎氏が当時のヴァルガス大統領の支援を受け、53年に和歌山県の22家族112人がドウラードス市の「松原植民地」へ移住。60年初頭にかけて、同県と北海道、三重県からの移住者や、サンパウロ州やパラナ州方面から多くの日系人が転住した。
一時期は15地域、2支部の日本人会が誕生、それぞれが日本語学校を設立。64年には、日本人会をまとめる南麻州日伯文化連合会が創設された。現在、同連合会は11支部で構成されており、約500家族が所属している。
89年には日本語学校をまとめるセンターが必要となり、JICA協力の下、ドウラードス、ラランジャ・リーマ、共栄の各校が合併。現在のモデル校を開校した。