現在、サンパウロ市で、軍事政権期に軍政と戦った代表的なジャーナリストで、今日まで伝説化しているヴラジミール・エルゾーギの展示会が行われている。
エルゾーギは、軍事政権時代に、映画監督や劇作家、テレビ・ディレクターなどで活躍。その一方でブラジル共産党の党員として、政治的活動も行っていた。
だが、テレビ局「クウツラル」のディレクターだった1975年10月24日、サンパウロの陸軍秘密警察に逮捕され、翌25日に刑務所内で死亡した。
この死は当初、「エルゾーギが刑務所内で首を吊って自殺した」と報告された。だが、「拷問された」との証言が残っていたことから、この発表は長い間、疑問視され、国民の間で真の死因を明かすよう求める声が強まった。
そして、その死から37年が経過した2012年に、エルゾーギの死は拷問死であったことが真相究明委員会によって認定された。
この間、エルゾーギが首を吊って亡くなった写真は、軍事政権時代の政治犯の象徴として語り告がれることになった。
現在では、ジャーナリストの研究機関として「ヴラジミール・エルゾーギ研究所」、ジャーナリストの賞として「ヴラジミール・エルゾーギ賞」も設けられ、その名を後世に残し続けている。
今回、サンパウロ市最大の繁華街パウリスタ大通りにあるイタウ・クウツラルで行われている展示会では、エルゾーギや彼の家族の写真や、彼に関する新聞記事、彼がかかわった映像作品などが紹介されている。
展示会は10月20日まで行われる。イタウ・クウツラルは月曜休館で、火曜から金曜の開館時間は9時~20時、土曜、日曜、休日は11~20時で、入場は無料。
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