【既報関連】ブラジル連邦上院議会が21日、「経済的自由のMP」とも呼ばれる、暫定令881号(MP881/19)を賛成多数で承認したと、21、22日付現地各紙・サイトが報じている。
MP881は、一昨年成立した改正労働法を補強するもので、議会での承認の期限が今月27日に迫っていた。上下両院で承認されたことで、ボルソナロ大統領の裁可待ちとなる。
ただし、上院では、下院で承認された内容から「日曜、祝日労働に関する項目」(4週間おきに日曜日に休みを与えれば、週一日の休みは必ずしも日曜でなくとも良い)が取り除かれた。
このMPによって、企業の設立や閉鎖に必要な手続きが簡素化され、雇用促進につながると政府は期待している。
行政簡素化特別局局長のパウロ・ウェベル氏は、「このMPはブラジル経済に大きなインパクトを与える。政府としては、10年間で370万人分の雇用創出と、国内総生産(GDP)の7%アップを期待している」と語った。
社会保障改革は更に遅れる可能性も
他方、経済活性化関連政策の“本命”である社会保障制度改革案は、8月7日に下院での2回目の承認が済み、上院扱いとなっているが、その手続きに遅れが生じている。
上院での手続きは、憲政委員会(CCJ)での審議と、2回の本会議投票がある。各政党の上院リーダーたちは当初、上院手続き終了予定日を10月2日に設定していたが、その後、ダヴィ・アルコルンブレ議長(民主党・DEM)が10月10日に変更していた。
社会保障制度改革に関する報告官からの意見書提出は23日(金)の予定だったが、上院報告官のタッソ・ジェレイサッチ上議(社会自由党・PSDB)は22日、「意見書の内容を詰めるためには、今週末から来週の頭までが必要。26日(月)になるか、27日(火)になるかは分からない。でも来週中に必ず出す。手続き全体に及ぼす影響は4、5日程度」と発言した。
ジェレイサッチ上議は、下院が承認した改革案はすばらしいもので、変更を加えてしまうと、その改正案を下院で審議しなおす必要があるため、変更は修正動議で対応するか、もしくは上院発の改正案として別個に出すべきとの立場だ。