【既報関連】法定アマゾンなどでの森林火災への不誠実な対応で、ボルソナロ政権が世界中から批判を浴びている。そんな中、国内農業部門からも政府は態度を改めるようにとの声が出ており、諸国からは「厳しい態度でブラジルに当たるべき」との声も出始めていると、23日付ブラジル各紙・サイトが報じた。
テレーザ・クリスチーナ農相、農牧族議員たちと大規模森林火災対策について話し合ったロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)は22日、「ブラジルの農牧関係者は環境に配慮しつつ、農業が発展することを望んでいると世界に示すことが重要」と述べた。
ブライロ・マッジ元農相(進歩党・PP)も、「今回の事件で、ブラジルの農家が欧州やアジアで築いてきた信頼も一気に落ちた」と、政府の対応を批判している。また、カチア・アブレウ上議(社会民主党・PSD)も、「アマゾン軽視、不法森林伐採を止めようともしない態度、行き過ぎた農薬認可の悪影響は全て、ブラジル農業界に降りかかってくる」と語っている。
一方で、オニキス・ロレンゾーニ官房長官は、「欧州はブラジルの環境対策を大々的に批判し、ブラジル産の農産物を排除する口実にしている」などとしている。
しかし、ボルソナロ大統領批判の急先鋒であるフランスのマクロン大統領は、「ボルソナロ大統領は今年大阪で開かれたG20での約束を破っている。このままなら、欧州連合(EU)と南米南部共同市場(メルコスール)間の自由貿易協定に影響が出る」と語り、アイルランドもそれに同調する動きを見せている。
さらに、現在持ちまわり制でEU議会議長国を務めているフィンランドからは、「ブラジル産牛肉の禁輸措置も検討すべき」との声も上がっている。