ブラジル中銀が毎週月曜に発表する、週刊経済指標動向予測集「フォーカス」の最新版が26日の朝、発表され、今年の国内総生産(GDP)成長率予測が、先週までの0・83%から0・8%へと下方修正された。
フォーカスは中銀独自の予測ではなく、中銀が国内100以上の金融機関を対象に、今後の予測を聞き取り調査した結果をまとめたものだ。
今年のGDP成長率に関しては、2月中旬までは2・5%成長と予測されていたのが、1月下旬のミナス州での鉱滓ダム決壊事故以後、下方修正が止まらず、今の予測は0・8%だ。
今週末にはブラジル地理統計院が今年第2四半期のGDPを発表する。第1四半期は前期比マイナスだったので、第2四半期もマイナスだと、統計上の景気後退(リセッション)突入となる。
フォーカスは来年末、再来年末、3年後の年末も予想も出しており、来年(2020年)のGDP成長率予測も先週までの2・2%から2・1%へと、若干下方修正された。
今年のインフレ率の予測は、先週までの3・71%から3・65%へと下方修正された。先週、7月中旬から8月中旬までのインフレ率(IPCA―15)が0・08%の低水準だったと発表されたことも影響したと思われる。
歴史的に高インフレに苦しめられてきたブラジルとそこに暮らす庶民にとって、低インフレは基本的に歓迎だが、消費が落ち込み、経済が不活発なせいで発生する低インフレは決して決して良い事とはいえない。
2020年のインフレ予測も、先週までの3・9%から、今週は3・8%へと下方修正された。
中銀はインフレと景気の動向をにらみながら経済基本金利(Selic)を上下させるが、そのSelic予測も、今年は5%予想で変わらず。来年の予測は、先週までの5・5%が5・25%へと下げられた。
また、現在、米中貿易戦争が活発化し、レアルはかなり米ドルに対して値を下げている(23日取引終了時では1ドル4・12レ)が、「今年の年末にいくらになっているか?」の予想は、先週までの1ドル=3・78レアルから1ドル3・8レアルに変わった。(26日付アジェンシア・ブラジルなどより)