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《ブラジル市場》一時1ドル=4・19レアルに=続くドル高、中銀は警戒

 ドル高レアル安の続く為替相場は27日、いったん1ドル=4・19レアルをつけた後、若干レアルが戻し、前日比0・43%ドル高の1ドル=4・157レアルで引けたと、28日付ブラジル各紙が報じた。
 また、同日のサンパウロ市株式市場指数(Ibovespa)は、前日比0・88%増の9万7276・19ポイント(P)だった。
 8月に入ってからのドルは8・84%も高くなっており、1ドル=4・15レアルはほぼ1年ぶりのドル高だ。米国債券市場で発生した長期金利と短期金利が逆転する逆イールド現象が強まり、ドル買いの動きが高まる、米中貿易戦争が終結する様子を見せないなど、世界経済情勢への警戒感も新興国通貨安につながった。「森林火災の問題など、ボルソナロ政権が環境対策で批判を浴びていることも投資ムードを下げている」とエスタード紙は報じている。
 ブラジル中銀もドル売りの市場介入を行っている。27日もドル売りを行うと発表した後、1ドル=4・19レアルだった相場は、1ドル=4・14レアルまで下がったが、徐々にドル高に値を戻した。
 現在、低インフレに支えられ、中銀は経済基本金利(Selic)を史上最低水準の年利6・0%にしているが、景気回復の足取りが弱いため、更なる利下げが期待されている。
 ただし、専門家からは、1ドル=4・10~4・20レアルの水準が続くと、インフレリスクになり、利下げに踏み切りにくくなるとしている。
 なお、28日の為替は午後5時の時点で1ドル=4・154レアル、Ibovespaは9万8126・92Pをつけていた。