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麻疹=ブラジル初の死者、サンパウロ市で確認=全国の患者は2331人に

麻疹を含む3種混合の予防接種ワクチン(GESP)

 サンパウロ州保健局が28日、同州初の麻疹(はしか)による死者確認を発表したと28、29日付現地紙、サイトが報じた。
 麻疹による死亡が確認されたのは、サンパウロ市東部に住んでいた42歳の男性だ。亡くなったのは17日で、脾臓摘出後で免疫能力が落ちていた事もあり、肺炎を起こしたという。予防接種を受けた記録はなかった。サンパウロ市保健局はこの報告を受け、速やかに、男性が住んでいた地域での感染拡大防止策を実施したという。
 サンパウロ州での麻疹による死者は、23人が死亡した1997年以降、途絶えていた。この男性はブラジルでの今年初の死者でもある。全国では、ペルナンブコ州で亡くなった乳児も麻疹が原因だった可能性があり、確認中だ。
 麻疹は感染力が強く、対話や咳、くしゃみなどでも感染する可能性がある。最善の感染予防策は予防接種で、手洗いや換気なども効果がある。
 サンパウロ州保健局によると、同州内の麻疹患者は2457人で、20日に報告された1797人より36・7%増えた。前週比で36%超の増加は3週間連続だ。擬似症患者も1万608人いる。
 2457人中1637人はサンパウロ市在住者で、サントアンドレ126人、グアルーリョス91人、オザスコ57人など、サンパウロ大都市圏での患者発生が目立つ。最近は内陸部の患者も増え、患者が確認された市は89に及ぶ。
 患者が最も多いサンパウロ市での予防接種キャンペーンは31日まで。現在の予防接種実施率は、15~29歳が41・4%、6カ月以上1歳未満の乳児は62・9%だ。ただ、保健所などではこの年齢層以外の人でも予防接種を受けられる。
 なお、保健省は28日に、6月2日~8月24日までの90日間の患者は2331人と発表した。同期間中に確認されたサンパウロ州の患者は2299人で、同州では6月1日以前に確認された患者が158人いた事が分かっている。
 サンパウロ州以外で患者発生が確認されている州は、リオ、ペルナンブコ、サンタカタリーナ、連邦直轄区、ゴイアス、パラナ、マラニョン、リオ・グランデ・ド・ノルテ、エスピリトサント、バイア、セルジッペ、ピアウイだ。
 昨年の麻疹患者の発生はベネズエラ難民が集中していたロライマ州とアマゾニア州が中心だったが、両州での患者発生は報告されていない。