【既報関連】ブラジルのオニキス・ロレンゾーニ官房長官は3日、現状では9月24日までとなっている法定アマゾンでの軍駐留期間を少なくとも1カ月延長することをボルソナロ大統領に提案する意向を明かした。
ボルソナロ大統領は8月23日に、森林保護のため、憲法に従って軍を派遣する法と治安保障作戦(GLO)の発動を命令。今回の軍派遣は、“環境GLO”と呼ばれている。
ロレンゾーニ官房長官を頭とする連邦政府派遣のスタッフたちは、8月27日に開催された州知事たちとボルソナロ大統領との会議の内容を踏まえ、森林破壊と違法な焼き畑の実態を把握すると共に、それらを食い止める方法についての議論を行った。連邦政府の一行は、2日にパラー州ベレンで法定アマゾン東部5州(パラー、マラニョン、アマパー、トカンチンス、マット・グロッソ)の知事や副知事たちと、3日はアマゾナス州マナウスで西部4州(アマゾナス、アクレ、ロンドニア、ロライマ)の知事たちと会合を行った。
冒頭に記した意向は、3日の会合後に示されたもので、「実際に火災が発生している現場に初めて立ち会った。消火活動や森林保護活動も大切だが、その原因となっている、違法な森林伐採や違法な金の採掘活動を根絶することはそれ以上に大切」との見解も明らかにした。
また、違法な森林伐採や焼き畑農業を取り締まる、国立再生可能天然資源・環境院(IBAMA)やシコ・メンデス研究所(ICMBio)も軍の護衛を必要としているとも語っている。
ロレンゾーニ官房長官らは、2日にわたる会合で協議した内容に基づいて、アマゾン地域の持続可能な開発計画の提案を行う。
同長官によると、知事たちは8月27日に続き、改めて、「耕地の規制と、経済生態学に基づいた土地の区分け、および環境に配慮した“グリーン経済”の発展こそが、法定アマゾンの良好な政策計画に不可欠だ」と強調したという。また、焼き畑やそれに伴う森林火災の発生を恒常的に監視することも知事たちは求めている。
ロレンゾーニ官房長官は、連邦政府は約10日をかけて知事たちからの提言を吟味、統合した上で、法定アマゾンの開発(利用)と保護に関する構造的な計画を提示するとの見通しも明らかにした。(3日付アジェンシア・ブラジルより)