法定アマゾンでの森林火災増加で国際的に強い批判を浴びた後、連邦議会でも火災問題の討議や対策が必至となっているが、法定アマゾン内の9州選出の連邦議員が、この5年間に割り当てられた議員割当金の中から環境保護や動植物の生態系に関する研究などに支出した環境管理費は、割当金全体のわずか0・001%の約2400万レアルだったと、3日付エスタード紙が報じている。
今年に入ってからの森林伐採や森林火災の増加で、法定アマゾンを中心とする環境政策への関心が国内外で高まっているが、連邦議員への割当金から支出される環境管理費を含む、アマゾン対策資金が決して十分ではなかったことも問題にされはじめている。
ここ5年間のデータに基づくと、法定アマゾン9州選出の上議、下議への議員割当金は総計1336億6700万レアルに上るが、法定アマゾンの森林保護などのためにはわずか2390万レしか使われなかったことが明らかにされた。
議員割当金の額を地区別に見ると、法定アマゾンへは、南東部、北東部(法定アマゾンに含まれるマラニョン州を除く)に次いで3番目に多い、133億6670万レが払い出されたが、環境管理費に使われたのは0・001%にしか過ぎない。
環境管理費には、科学研究や持続可能な開発のための投資、森林伐採の監視、環境許可取得費、地球温暖化対策費、自然災害防止対策、水資源や環境の保全費、環境省諸経費などが含まれる。
環境管理費は他の地域でも低く、国内で最も多い10億3600万レが使われた北東部や1億6300万レを投じた南東部でも、割当金全体では前者が0・06%、後者が0・01%を占めるに過ぎない。
こうした問題は、連邦議員たちが地元の有権者を喜ばせるため、保健やインフラなどに費用を割きたがる傾向があるために起きているという。
さらに言えば、8月下旬の先進7カ国会議(G7)がアマゾン支援のために提案した8300万レは、法定アマゾンからの選出議員が5年間に議員割当金から充てた金額の約3・5倍だ。
過去に行われた法定アマゾンへの支援の中でも最大規模の支援は、ノルウェーとドイツを中心とする「アマゾン基金」だが、ボルソナロ政権が森林保護対策の方針を大きく変えたことに不信感を抱いたことなどで、8月中旬にドイツが1億5千万レ、ノルウェーが1億3300万レの支援凍結を発表。法定アマゾンへの環境管理資金は底をついた状態だ。
そのため、各党のリーダーが森林火災に対する罰則強化などのプロジェクトを発表する、下院で環境と持続可能な開発委員会を開設するなどの動きが活発化。先週は55人の下議が本会議で関連発言を行ったが、38人は連邦政府の対策を批判し、17人が大統領を擁護した。翌日も上下両院本会議で、29人が森林火災に言及したという。