アルゼンチンの経済危機や、激化する米中間の貿易戦争の影響で、週明け2日の為替市場は、昨年9月13日以降、最高のドル高となる1ドル=4・184レアルで取引を終えたと、3日付ブラジル各紙が報じた。
今年最もドル安だったのは、1ドル=3・73レアルを記録した7月18日で、それから1カ月半の間にドルが12%も高くなった。
ブラジル経済と関係の深いアルゼンチンは先週、短期返済債務の支払い延期(モラトリアム)を宣言。1日には自国通貨ペソの下落を避けるために、ドルとの両替制限も発表した。ブラジル経済省によると、今年1~8月のブラジルからアルゼンチンへの輸出額は、昨年同期比で39・7%減少している。
ブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は、今年の対アルゼンチン貿易収支が16年ぶりの赤字となる見込みと共に、同国が支払不能となる可能性への懸念を表明した。
ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団(FGV)所属の経済学者、ロブソン・ゴンサウベス氏は、「ブラジル経済はアルゼンチン経済より強固。対アルゼンチン輸出低下による混乱をブラジルは克服できる」と言うが、同じくFGV所属のリビオ・リベイロ氏は、「アルゼンチンの経済危機のせいで自動車の対アルゼンチン輸出が大きく減れば、ブラジルの部品メーカーへの影響は大きい」と案じている。
2日のサンパウロ市株式市場指数(Ibovespa)は、前日比0・5%アップの10万625ポイントで取引を終えた。
なお、3日午後5時の時点での為替相場は1ドル=4・181レを、Ibovespaは9万9887・49ポイントを付けた。