ブラジルいけ花協会の会長を務めるエリソン・トンピソン・デ・リマ・ジュニオールさん(61)が、いけ花の作品集『A POÉTICA DA IKEBANA – IKEBANA POETRY』(ポルトガル語・英語対訳)を出版する。また出版を記念し、作品や写真の展示会を9日(月)午後7時から、ジョー・マベ(JOH MABE)の画廊(Avenida Brigadeiro Luís Antônio, 4225 – Jardim Paulista)にて開催する。
本書は50ページ程で、100以上のいけ花作品が詰まっている。
しかし本書は「いけ花の専門書」ではなく、「広く芸術作品を楽しむもの」だという。エリソンさんは「いけ花の愛好家だけでなく、多くの人に楽しんでほしい」と考え、いけ花の専門家ではない、美術評論家のエノック・サクラメント氏に写真を選んでもらったそう。
「写真を選ぶにあたっては、いけ花の説明をして、4時間もかけた。でも写真の選別には一切口出しせず、彼の感覚に任せた」とこだわりを明かした。
本書はポ英両語によるものだが、作品を見るだけでも十分楽しめるという。日本語版の出版も検討している。
展示会は入場無料。本書も購入でき、初日と毎週土曜日はエリソンさん自ら応対し、サインをもらうこともできる。
展示会は21日(土)までで、休館日の日曜日を除き、月~金曜日は午前10~午後6時、土曜日は午後2時まで開催。
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ブラジルいけ花協会の会長を務めるエリソンさんは、世界救世教を信仰しており、同教団の創始者・岡田茂吉財団による留学制度で日本へ留学し、本場でいけ花を学んだそう。非日系だが、日本語も流暢な上、非常に上品な言葉遣いで、日本文化にも精通している。今回の展示会についても、開幕に9月9日を選んだのは、五節句の一つ「重陽の節句(通称=菊の節句)」だったからだとか。風流な和の心の持ち主だ。