【既報関連】サンパウロ州保健局が4日、麻疹(はしか)の患者が2982人に達したと発表したと同日付現地サイトなどが報じた。8月28日現在の患者2457人と比べ、21%増えている。
患者の大半はサンパウロ市で発生しているものの、4日現在のサンパウロ市の患者は1883人で、8月28日の1637人比15%増に止まった。州全体の患者に占める割合も66%から63%に下がった。
この事は、擬似症患者確認と共に患者と接触した人に予防接種を施す封じ込め作戦その他の対策が奏功し始めた事と、サンパウロ市以外の市での患者がそれまで以上のペースで増えた事を示す。サンパウロ市以外で患者が出ている市は、88から110に増えた。
サンパウロ市での予防接種キャンペーンは終ったが、同市保健局は引き続き、生後6カ月以上2歳未満を対象とする保育園での予防接種や、予防接種が保健省のカレンダーより遅れている子供の家庭を訪問するなどの対策を講じている。それ以外の年齢層の人も、保健所で予防接種を受けられる。
また、保健省が定めた生後6カ月以上1歳未満の乳児への予防接種は、州全体で行われている。この年齢層で予防接種を受けた子供は、12カ月と15カ月の接種も受けなければならない。
一方、麻疹の患者が多くて目立たないが、やはり流行っているのがおたふく風邪(流行性耳下腺炎)だ。おたふく風邪は潜伏期間が2~3週間と長く、発症前の患者との接触で感染するケースもある。サンパウロ州での患者は、7月7日が37人で、8月6日には60人に増えた。8月現在で12市が例年以上の患者発生で流行状態とされている。16年は410市で流行して2863人が罹患、翌年は141市で流行、739人罹患など、サンパウロ州では数年に1度、流行が起きている。
おたふく風邪の予防接種は麻疹や風疹との3種混合のため、予防接種を全然、または1回しか受けておらず、麻疹の免疫ができてない人がいる地域では、おたふく風邪や風疹も流行する可能性がある。
なお、保健省は4日、6月9日~8月31日の12週間に確認された麻疹患者は、12州と連邦直轄区で2753人と発表した。98・37%にあたる2708人はサンパウロ州の患者で、死者も3人出ている。また、州別患者数が3番目(12人)のペルナンブコ州でも、死者が1人出ている。