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《ブラジル》上下水道工事約1千件がストップ=1億人以上が下水使えず

 ブラジル国内で合計958件、総額135億レアル分の上下水道整備工事が完成せず、途中でストップしていると、6日付現地紙が報じた。
 途中で止まっている135億レアル分の水道工事計画の9割以上、126億レアル分は、ルーラ政権期に導入された経済活性化計画(PAC)に関連したものだが、今も完成していない。これらの工事が未完成であるがゆえに、国民の半数近くの約1億人の家は下水が通っておらず、4千万人は家に浄水がきていない。
 毎年夏場は伝染病が流行するが、こうした病気も、各家庭に上下水道が整備され、適切なごみ収集がなされていれば防げるはずのものだ。
 水道整備が滞っている主要因は、最初に立案された基本計画の段階で不備があることだ。水道整備を担当するべき各州の公社や自治体は、資金を集めるところまではできても、机上の計画を実現させるノウハウや人的、物的資源に乏しい。
 連邦会計検査院(TCU)が行った調査によると、3万8千件の工事の内、1万4千件が止まっている。工事が中断した理由の47%は技術的なものだ。
 官民投資計画(PPI)に基づく戦略的工事振興局のヴェロニカ・サンチェス局長は、「公社、民間を問わず、工事担当会社に、質の高いプロジェクトを提示して公的資金を引き出し、適切な投資を行うだけの力がないことが今の惨状につながっている」と語る。
 経済省所管のインフラ設備開発局長、ジオゴ・マック・コード氏によると、2018年は政府が決めた関連工事予算の51%しか使われなかったという。