マット・グロッソ州シャッパーダ・ドス・ギマランエス国立公園での火災が2週間を超え、週末には、同公園内の観光名所の一つのポルタン・ド・インフェルノ(地獄の門)にも火が及んだ。また、ポルタン・ド・インフェルノの傍を通り、同州州都のクイアバ市と同公園を結ぶ州道251号線は、一部で視界がほとんどゼロという状態に陥っている。
法定アマゾンでの森林伐採や森林火災に対する批判が国内外で高まっている最中に起きた同国立公園内の火災は、気温上昇や少雨のせいもあり、瞬く間に広がったとされている。
これまでの2週間で被害が出た場所の中には、やはり観光名所のジェラデイラ滝とマリンボンド滝も含まれている。
消防隊のデルシオ・サントス・ダ・シウヴァ中佐によると、火の手が激しいのは、マンソ地区とポルタン・ド・インフェルノ地区、ペバ地区の3カ所で、人員補強が必要だという。
ポルタン・ド・インフェルノ地区の消火活動は、生物多様性保全のためのシコ・メンデス研究所(ICMBio)が担当。その他2地区でも、消防隊による消火作業が行われている。同公園内での消火活動は、飛行機による空中散水と、地上で火を叩き消す作業が並行して行われている。
国立宇宙研究所(Inpe)によると、今年に入ってから8日までの同州での森林火災は1万9711件に達した。この数字は過去9年間で最悪だという。
また、同州に次いで森林火災が多発しているパラー州でも、1万3500件を超えたという。この結果、今年に入ってからのブラジル国内の森林火災の件数は、8日現在で10万3千件に達しようとしている。
マット・グロッソ州での森林火災多発は既に、農業生産者達にも深刻な影響を及ぼしている。森林火災が起きた土地の所有者は、次の収穫期に向けて土地を整えるために例年以上の経費がかかると計算している。
その理由の一つは、次の作付期には肥やしともなり、土地を保護してくれるパリャーダ(前の収穫期の残りの植物)を焼き尽くしてしまう事だ。
クイアバ市から420キロのソリーゾ市では、トラクターと化学肥料を投入し、火災で焼けたパリャーダの代わりに成長の速い植物を植える予定だが、この作業に伴う出費増は10万レアルに上ると見られている。(9日付G1サイトより)