ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》施設改修のオークションに卵=8歳児の行為に4千レアル集まる

《ブラジル》施設改修のオークションに卵=8歳児の行為に4千レアル集まる

グスターヴォ君とその家族(4日付G1サイトの記事の一部)

 ブラジル中西部ゴイアス州にある人口1万4千人のカスー市で、高齢者向けの施設改修費を集めるために開かれたチャリティーオークションで、家族が食べるための物さえない中で、8歳の男の子が寄付した卵が競売にかけられ、4千レアル近い資金が集まった。
 町中の人の心を捕らえたのは、失業中の両親と兄弟2人と共に暮らすルイス・グスターヴォ・ロドリゲス君だ。
 彼の父親(継父)のルイスマル・ヌネス氏は大工だが、オークションに出す品物を集めるためのボランティアが訪ねてきた時は、ちょうど失業中で、何日も仕事がなく、家族5人は満足に食事をとる事も出来ずにいた。
 ボランティアに対応したヌネス氏は、「悪いけど、家族が今日食べる物も十分にないんだ。明日出直してくれないか。何とか都合できると思うから」と言って、断らざるを得なかったという。
 ボランティアのジェッシカ・タイス・サントス氏はそれを聞いてその場を立ち去ったが、彼女の後を追いかけてきたのはグスターヴォ君だった。彼はボランティアが訪ねてきた理由を知り、家に残っていた最後の卵を手に取ると、家族に気づかれないように隠して持ち出し、サントス氏の後を追って駆け出したのだ。
 背後から駆け寄った少年が、小さな手で運んで来たたった一つの卵を受け取ったサントス氏は、自分達が食べる物がなくなる事もいとわず、幼い少年が持てるものの全てを差し出した姿に感動。他の家々を回っていたボランティア達に話した上で、この卵をオークションにかける事を決めた。
 グスターヴォ君の行動はボランティア全員の心を打ち、それを聞いた市民達の心も動かした。
 「オークションに出されたのは単なる卵ではなく、その卵が生んだ“連帯”という名の大きな大きなオムレツだった」というのは、施設長のルシオ・テオドロ・モライス氏だ。
 “連帯”という名のオムレツは、人口1万4千人の小さな町でのオークションとしては破格の4千レアル近い改修資金を生んだ。だが、ボランティアと市民はオークションの成功だけでは満足せず、グスターヴォ君の家に、家族のための食料品と子供達3人が遊ぶための玩具を届けたという。(4日付G1サイトより)