リオを本拠とする学究機関ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団のブラジル経済研究所(Ibre/FGV)によると、今年第2四半期のブラジル産業の生産効率は、2018年の第2四半期より1・7%落ちた。
これは、前年同期比マイナス2・2%を記録した2016年第1四半期に次ぐ下げ幅だ。 Ibre/FGVの調査員、フェルナンド・ヴェローゾ氏は、「2017年以降、特に2018年は生産効率の伸びが弱かった。ただ、この第2四半期に前年同期比でマイナスを記録するとは思っていなかった」と語った。
ヴェローゾ氏は、過去1年間で労働者数は増えたが、生産額は同じ比率で増えていないという。今年第2四半期の労働時間総数は昨年同期比で2・6%増えたのに、生産額は0・9%しか増えていない。
ヴェローゾ氏は、「『生産性の低い労働力が増えた』とさえ言えるだろう」と語っている。この発言の背景には、一般的に正規雇用者より生産性の低い非正規雇用者が増えていることがある。ヴェローゾ氏は、正規雇用者の増加ペースが非常に緩いことも付け加えた。
労働者の職能が低く、投資も低いことや、施設の改善や技術レベル向上をと考えても、融資の枠が限られていることなどが、労働者や労働時間総数が増えても生産性が高まらない理由だと、同局長は説明する。「それでも、失業者が溢れているよりはまし」と語った。
昨年同期と比べた今年第2四半期の生産効率は、農牧畜業がマイナス2・5%、工業がマイナス0・7%、サービス業がマイナス1・8%で、全ての分野で低下した。
一番状況が深刻なサービス業は、生産効率は21四半期連続で前年比マイナスを続けている。
今年第2四半期のサービス業を見ると、最もマイナス幅が大きかったのは、マイナス5・2%の「交通部門」とマイナス2・9%の「その他のサービス部門」だった。
「交通部門」は最近増えている、Uberなどの配車サービスを含んでおり、「その他のサービス部門」には、清掃や料理、子供や病人、高齢者へのケアなど、無償で行う、家族のための労働が含まれている。
サービス部門の労働時間総数は、国内の全ての業種の労働時間総数の70%を占めている。
ヴェローゾ氏は「新規雇用はサービス業に流れがちだが、サービス業は元々、非正規雇用率が高い上、最近は非正規雇用者が急激に増えている」と語っている。(10日付エスタード紙より)
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