ジャイール・ボルソナロ大統領(社会自由党・PSL)の次男でリオ市議のカルロス・ボルソナロ氏(キリスト社会党・PSC)が9日夜、「民主主義では、望ましい速さでの変革は起こらない」とツイートしたと、10日付現地紙が報じた。
同氏のツイートの続きは、「…これまでいつも我々を支配してきた者たちは、私たちを様々な方法で支配し続けている」だった。
カルロス市議のツイートは、政界からもブラジル弁護士会(OAB)からも批判を浴びた。特に、最近、ボルソナロ大統領に、「アンタの父親は軍に拷問されて死んだんじゃない。真相を教えてやろうか」と言われ、大いに憤慨したフェリペ・クルスOAB会長は、「あんな軍政礼賛一家は受け入れられない。ブラジルの民主主義者は『いいかげんにしろ!』と言うべきだ」と語った。
ボルソナロ一家はこれまでも、軍事政権を賞賛してきた経緯がある。昨年も、三男のエドゥアルド下議が「いざとなったら最高裁の閉鎖も辞さず」と発言し、大いに顰蹙を買った。
その後、自分の発言に批判が高まったのを見たカルロス市議は、「俺が独裁者だって? 冗談じゃない。もう寝る」ともツイートした。
ボルソナロ政権のインターネット、ソーシャルネットワーク戦略を託されたカルロス氏は、政権発足直後の今年上半期にも、政権内部の人間を攻撃するなどして問題を起こしていたが、ここ数カ月間は、悪い意味での目立つ行動はなかった。
カルロス市議は、10日の昼過ぎにも、「『成果がなかなか表れない』との批判を受けたから、『民主主義は時間がかかる』と言ったまで。それをマスコミは、『独裁主義を擁護』と書きたてる。たちの悪い奴らだ」ともツイートした。
また、10日には、カルロス市議が最少30日、最大120日の、無給での市議休職を願い出たことが明らかになった。これはツイートが批判を受ける前、6日にリオ市の市議会議長に提出されていたものだ。
同市議は理由を明らかにしてはいないが、地元サイトは手術後で療養中の父、ジャイール・ボルソナロ大統領の看病ではないかと報じた。