今回のベレン・トメアスーの事前取材は、アマゾン日本人移住90周年記念祭パラー実行委員会(生田勇治祭典委員長)の協力によって実現した。冬のサンパウロから飛行機に乗り約4時間、到着したベレンは暑く日差しが眩しい。空港まで迎えに来てくれたのは、汎アマゾニア日伯協会(生田勇次会長)の伊藤真美事務局長だ。
伊藤事務局長はパラー州アカラー出身の二世。2002年から日伯協会で勤務しており、13年に退職した堤剛太前事務局長に代わって、事務局長を務めている。日本語能力試験1級を持ち、日ポ両語に長けた人材として重宝されている。
伊藤事務局長には日伯協会の本部事務局があるアマゾン日伯交流センターに寄った後、早速アマゾン90周年式典の会場となる「平和劇場」(Teatro da Paz)に連れて行ってもらった。日伯協会からだと、車で約20分かかる場所にある。
平和劇場は1878年2月15日に建設。当時のアマゾン地域はゴム景気の最盛期で、パラー州政府はイタリアのミラノ市にある「スカラ座」という歌劇場に影響を受けて劇場の建築プロジェクトを開始した。5階建ての劇場は豪華で、現在北伯で最も大きい劇場とされている。日系社会では、アマゾン移民50周年、日本人移民百周年記念式典でも利用した。
伊藤事務局長によれば、式典は今週14日(金)午後7時から開始。地元の名士ら300人ほどが集まる見込みで、3時間の予定。
90周年祭典委員会、日本政府外務大臣、駐伯日本公館長、パラー州政府から各表彰が行われる。式典後は、日本舞踊や太鼓などの踊りや歌で場を盛り上げる予定だ。
また、ベレン市恒例の「日本週間・アマゾニア祭り」は、毎年の会場である日伯協会では9~12日まで、さらに今年は特別にパラー州立文化基金(CENTUR)でも13~15日まで開催する。
日本週間では各県人会の出し物や、日本文化の展示会、折り紙、太鼓、書道のワークショップなど日本文化を楽しめる他、メインステージで琴や踊りなども披露する。また、櫓を建てて盆踊りも皆で踊る予定だ。
例年は8千人の来場客だが、今年は1万人が訪れる見込み。盛大な州の支援も得て、百周年への足がかりとなる、忘れられない90周年事業となりそうだ。(つづく、有馬亜季子記者)