サッカーのブラジル全国選手権3部リーグ(セリエC)は、9日に準々決勝が終了し、ベスト4が出そろった。
全20チームが所属するセリエCは、北地区と南地区10チームずつに分かれて2回戦総当たり戦を行い、上位4チームずつ、合計8チームがプレーオフトーナメントを戦って、昇格チーム、優勝チームを決める。
ペルナンブッコ州レシーフェに本拠を置くナウチコは、準々決勝で2試合連続引き分けの末にPK戦でパイサンドゥ(パラー州)に勝ち、ベスト4入りと来期の全国2部(セリエB)昇格を同時に決めた。
レシーフェは2014年のブラジルW杯でも開催地に選ばれたが、W杯用の巨大スタジアムが建てられたのは、レシーフェの中心地から20キロ離れた、隣の市サンロレンソ・ダ・マッタだった。
レシーフェには三つのチームがあるが、どれも本拠地移転に乗り気ではなく、W杯スタジアムを半ば押し付けられたのがナウチコだった。
大きすぎて、1万、2万人程度の動員ではかえってガラガラの印象を与えてしまうスタジアムを使うことになったナウチコは、アクセスが悪いためにファンの足も次第に遠のくという事態に直面。ファンの後押しを失ったナウチコは、移転と共に降格の憂き目にも遭った。全国1部にいたのに、2013年には2部に、2017年には3部に転落したのだ。
そんなナウチコが、今年からは、チーム本来のホームスタジアム、アフリートスで試合を行うことにした。収容人員数は最大1万6千人と少ないが、その分、ギッシリ満員の印象を与え、選手の士気も高まる。市内にあり、アクセスも良いスタジアムには多くの観客が集まり、2部昇格の原動力となった。
レシーフェにある他の2チーム、エスポルチ(2部)とサンタクルス(3部)も、本来のホームスタジアムからW杯スタジアムに移転する意思はなく、W杯スタジアムを使うのは、よほどの動員が期待できる時に限られている。
ブラジルW杯では日本も試合を行った同スタジアムだが、なかなか有効利用の目処が立たないのが現状だ。(11日付アゴーラ紙などより)