最高裁が10月に、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)やLJ担当判事だったセルジオ・モロ法相にとって厳しいものとなりそうな審理を予定していると、12日付現地紙が報じている。
10月に最高裁大法廷での審理が予定されているのは、「第2審で有罪判決を受けたら刑執行とするか否か」の件と、モロ氏が判事時代に断罪した、ブラジル銀行元頭取でペトロブラス元総裁でもあるアウデミール・ベンジーネ被告が最高裁に抗告し、先日、第2小法廷が「裁判やり直し」を決めた、裁判の運び方に関する件だ。
内部情報によると、最高裁判事の大方は既に、LJ作戦班が望まない、「2審有罪で刑執行にならない」「報奨付供述に基づいて起訴された被告の最終請求の時間を供述者より増やす」に賛同する雰囲気が優勢になっているという。
また、ジアス・トフォリ長官は、当初11月に予定されていた、金融活動管理審議会(COAF)や国税庁、中央銀行などのデータを裁判所の許可を得ずに使えるか否かの審理を10月に前倒ししようとしている。
トフォリ長官は7月、本人にも汚職疑惑で捜査の手が及ぶ可能性のある大統領の長男、フラヴィオ氏の訴えを受け入れ、これらの機関が裁判所の許可を得る前に提供した情報に基づく捜査を差し止め、物議をかもした。モロ法相は「これでは汚職対策ができなくなる」と同長官に反論したが、ボルソナロ大統領はそれに不快感を示していた。
また、ルーラ元大統領に対する人身保護令の適用の可否の再審理も行われるのではないかと見られている。
これは、6月にはじまったヴァザ・ジャット報道で、モロ氏がLJ判事時代に行った法的判断の違法性や偏りが相次いで報じられ、これまでの判決の根拠が揺らいできているためだ。
かねてからルーラ氏への人身保護令適用を訴えていたジウマール・メンデス判事は、ヴァザ・ジャット報道以降、LJとモロ氏に対して懐疑的な発言を繰り返し行っている。また、最高裁第2小法廷の判事は皆、モロ氏がLJ判事時代に検察官たちに様々な指示を出したりしていたのは、行き過ぎた行為だと考えており、最高裁長老格のセウソ・デ・メロ判事も、モロ氏の行動に不快感を示しているという。
それに加え、先月27日に行われたベンジーネ被告に関する審理で、カルメン・ルシア判事が裁判無効との判断を下したことも注目されている。同判事はこれまで一貫してLJを支持する判断を行ってきていたためだ。同被告の裁判のやり直しは、ほかのLJ裁判にも影響が及ぶのではないかと憶測されている。