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WILL=持続不能なビジネスモデルとは=日本の番組が見られるカラクリ

 日本消費経済新聞によれば、WILL社が行っていた「持続可能性のないビジネスモデル」(消費者庁)は、次の通り。①日本の投資家に約60万円でカラオケやゲームなどの複数のアプリが読み込まれたカード型USBメモリを購入してもらう、②購入してもらった機器を借り上げ、子会社が海外(主にハワイやブラジル)でレンタル事業を行う、③レンタル料は日本の投資家に還元され、投資家は3年で72万円の収入を得るというもの。
 しかし、投資家の多さの割に海外での借り手は少なく、レンタル料収入はまったくの不足状態。同経済新聞は《少なくとも2018年12月時点で477億円ものレンタル料の支払債務が生じていることも明らかになった》と報じている。
 つまり、レンタル料を投資家に戻すのではなく、新しく投資家から募った金を、以前の投資家への配当に回す自転車操業状態。レンタル事業での収益は全体の1%のみだったと報じられている。新しい投資家がいなくなれば事業破綻し、投資金は帰ってこないから、消費者庁は「持続可能性のないビジネスモデル」として業務停止命令を出した。
 同経済新聞サイトには《「ブラジル支社に送ったライセンスパック(レンタル用機材)は税関で入れることが認められず、放棄、破棄処分された。どの投資家が購入した分のライセンスパックが破棄されたか、WILLは説明責任がある」など、複数の社員、元社員が同様の証言をしている》との報道もある。
 認知能力の衰えた日本の高齢者の老後資金を狙って、高額の投資勧誘が横行しているとの報道もあり、「WILLフォン」もこうしたレンタル商材の一つと見られている。ブラジルで日本のテレビが観られるシステムの裏には、こうしたカラクリがあったようだ。