17日で連邦検察庁長官を退任したラケル・ドッジ氏が、最高裁でラヴァ・ジャット作戦(LJ)の報告官を担当するエジソン・ファキン判事からの再三の質問や要請にも関わらず、テメル前大統領の民主運動(MDB)の政治家のLJでの疑惑捜査を、最大で1年9カ月にわたり、不問に付したまま任期を終了したと、17日付エスタード紙が報じている。
ファキン判事は2017年12月以降、ドッジ長官(当時)に対し、LJ関連の捜査14件に対する見解を求めてきた。だが、結局、ドッジ氏は任期の終わりまで、意見書を提出しなかった。
それらの中には、エウニシオ・オリヴェイラ前上院議長、エジソン・ロボン元鉱山動力相、エドゥアルド・クーニャ元下院議長、レナン・カリェイロス元上院議長といった、MDBの大物政治家たちの件が含まれていた。ドッジ氏はテメル前大統領の指名を受け、17年9月に検察庁長官に就任している。
エウニシオ氏はイーペルマルカス社から贈賄を受けた疑いが持たれ、18年3月には、ドッジ氏が長を務めていた検察庁特捜部(PGR)に捜査報告書が提出された。だが、PGRは最高裁に報告書を返すことも起訴状を送ることもしていない。同年12月にはエウニシオ氏の弁護人からも、「返事を引き延ばすくらいなら、いっそ捜査をお蔵入りにさせては」との嘆願まで行われた。
クーニャ氏の件は、14年の下院議長選の際、食品大手JBS社が違法献金を行った疑いによるものだが、これも18年9月21日にPGRに捜査報告書が送られたにも関わらず、1年間、何の進展もなかった。
レナン氏に関しては、ペトロブラスの石油採掘船建造関連で賄賂を受け取った疑いが持たれていたが、これも、PGRで1年間捜査が止まり、結局お蔵入りした。
ロボン氏は、ベロ・モンテ水力発電所の建設で収賄の疑いが持たれ、今年3月にファキン判事がドッジ氏に捜査報告書を送った。ファキン判事は5日の内に意見書を送るよう求めたが、意見書は出されないままだった。
ドッジ氏に対しては、OAS社元社長のレオ・ピニェイロ氏の行った報奨付供述(デラソン)の内、ロドリゴ・マイア下院議長やジアス・トフォリ最高裁長官の兄弟らに言及した箇所を同氏が認めなかったために、PGRでLJに関わっていた検察官6人が今月に入って辞表を提出するなどの反乱も起きた。その箇所はファキン判事によってお蔵入りになった。
次期検察庁長官にはアウグスト・アラス副長官が指名されており、25日に上院憲政委員会の試問(サバチーナ)を受ける。同氏の就任には憲政委員会と上院本会議での承認が必要だ。新長官の就任までは、アウシデス・マルチンス副長官が長官職を代行する。