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サウジショック=「ペトロブラスは当面価格維持」でブラジル経済に波紋=連邦政府が介入かと市場は危惧

 14日にサウジアラビアの石油施設が攻撃されたことで、国際原油相場は、週明け16日と翌17日で激しく動いたと、17日付ブラジル各紙・サイトが報じた。
 国際原油価格に連動させ、ガソリンなどの関連製品の値段を動かしているブラジルのペトロブラス(PB)社は、16日の時点では短期で価格を大きく変動させることはないと発表した。
 ボルソナロ大統領もPB総裁のロベルト・カステロ・ブランコ氏に電話し、状況を確認。ブランコ総裁は国内石油製品価格の即座の値上げはないと大統領に語り、大統領も、その言葉をTVインタビューで繰り返した。
 PB社は今後の原油価格の変動を見て、ブラジル国内の石油製品価格を変更するかを決める。
 投資家や金融関係者たちは、PBの方針に連邦政府が介入し、本来は価格を上げなくてはならないのに、価格を上げられず、PBの負債が増えてしまうことを懸念している。UBS銀行は、国際価格の変動に沿ってブラジル国内の石油製品価格を変動させるという方針が守られなくなれば、同社が進めている製油所の売却オペレーションが上手くいかなくなる危険性が出てくるとしている。
 政府が国内トラック業者などからの圧力に負けて、PB社に介入し、価格変更を認めないことになれば、PB社のイメージに傷が付く。PB社の経営の独立性が試されていると、ある経済アナリストは語る。
 なお、17日には、当初の見通しよりも早く、数週間の内にサウジアラビアの石油生産量が回復するとの情報が広がり、ブラジリア時間午後3時20分の段階では、ニューヨークの原油相場が5・02%安の1バレル=59・74ドル、ロンドン相場は5・65%安の65・12ドルで推移していた。