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《ブラジルサッカー》VARの効果を検証=まだ誤解の多い使用基準=判定に時間がかかりすぎることも問題視

 サッカーのブラジル全国選手権1部リーグでは、今年からビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)を使い始めたが、リーグ戦の半分の19節までを消化した15日の段階で、多くのチームがVARに不満を抱いていることが分かった。
 地元紙は1部リーグ全20チームに質問を送ったが、返答したのは12チームだけで、8チームは返答を避けた。 
 送られてきた返答の中で最も多かった不満、改善要望は、「審判が見た映像や審判同士の会話内容を公開して欲しい」というものだった。
 また、「スタジアムの観客に、今、何をジャッジしているのかを知らせて欲しい」との要望も見られた。また、VARによる判定が出るのに時間がかかりすぎることも、多くのクラブが不満に思っていることが分かった。
 バイーアのギリェルメ・ベリンタニ会長は、「映像や通信内容が公開されない理由がわからない。その結果、VAR判定にミスがあったことが公になることもあるだろう。でも、絶対にミスのないシステムなんかない。いっそ、オープンにした方が審判のため」と語った。
 コリンチャンスは新聞調査に返答しなかった8チームに含まれるが、選手を対象に、VARについての独自のガイダンスを行っている。
 ブラジルサッカー連盟(CBF)の審判委員会会長のレオナルド・ガシバ氏は、チーム本部を訪れ、選手たちからの質問に答えた。コリンチャンスのプロサッカーチーム部門長、ヴィルソン・メネゼス氏は、「選手やコーチングスタッフたちがVARについての理解を深めるのに、非常に有意義な会合だった」と語った。
 国際サッカー評議会(IFAB)は、VARが使われるケースは四つあるとしている。それは「ゴールが入ったかそうでないか」「PKだったかそうでないか」「カードを提示される選手が間違っていないか」「レッドカードは適切だったか」だ。
 この基本ルールもまだ完全に周知されているとは言いがたく、ブラジルでも混乱が起こっている。
 また、ブラジルで最も不満が多いのは、「判定にかかる時間が長すぎる」と言うものだ。リーグ前半でも、VAR確認のせいで、アディショナルタイムが前後半で合計20分に達したケースもあった。
 パルメイラスのマウリシオ・ガリオッチ会長は、「パルメイラスはVARを100%支持する。しかし、判定にかかる時間が長いのだけは勘弁してもらいたい」と語った。
 CBFはVARに関する各チームからのクレームに公式な見解を示していないが、国内の審判委員会を通じて疑問に答えていくとしている。
 CBFは、判定チェックに使われた映像は、TVの視聴者にまず公開する意向で、スタジアム内の観客も、判定後にスタジアム内の大画面に映されたものを見ることができるようにするとしている。(18日付エスタード紙より)