リオ州検察局や社会自由党(PSL)のリオ州支部の中で、ボルソナロ大統領の長男のフラヴィオ上議を巡る問題が大きくなっていると、19日付現地紙が報じている。
フラヴィオ氏は、リオ州議時代の職員、ファブリシオ・ケイロス氏の口座で不審な金の動きが確認された件に関する疑惑を封じ込めようと奔走しており、度々批判されている。7月にジアス・トフォリ最高裁判事が、裁判所の許可を得る前に金融活動管理審議会(COAF)のデータを使って行った捜査を差し止める命令を出し、フラヴィオ氏に対する捜査が止まった際も物議を醸した。
また、リオ州検察局のソライア・タヴェイラ・ガイア検察官が17日に提出した、「フラヴィオ氏は裁判特権の適用基準を満たす」から、高等裁から裁判開始との意見書も、リオ州検察局内で問題となっている。
裁判特権に関する基準は昨年変わり、それまでの「現在、どの役職についているか」ではなく、「事件が起こったときに就いていた役職」が、どこから裁判をはじめるかの基準となることになった。それに従うと、フラヴィオ氏の件はリオ州議時代の一件なので、リオ州地裁からはじまることになる。
ガイア検察官の意見書に対しては、リオ検察の汚職対策グループが異例の声明を発表。「リオ州議会では20年前から、役職が終われば特権が効かなくなっている」として、意見書に対する強い違和感を唱えている。
一方、PSLリオ支部長でもあるフラヴィオ氏は、ウイルソン・ヴィッツェル・リオ州知事が、ボルソナロ大統領に対して批判的な発言を行い、大統領選への出馬願望も表明したことで、PSLの州議たちを州の連立与党から引き離したが、これに対しても強い反発が生まれている。
PSLリオ州支部の副リーダー、ダニエル・シウヴェイラ下議は、「大統領は同意していない」として、連立離脱に反対の意向を表明。州政府の局長を務めている党員も離職に難色を示したが、フラヴィオ氏は州支部の方針に従わないなら離党すべきだと主張。ここでも摩擦が生じている。
フラヴィオ氏の同支部内での評価が落ちてきていることは、同氏が来年のリオ市長選で出馬させる意向のロドリゴ・アモリム氏が党内での勢いを落としていることにも反映されているという。
さらに、フラヴィオ氏はPSLの上院リーダーのマジョール・オリンピオ上議とも決裂。同上議はここ数日、公の場でフラヴィオ氏批判を続けている。また、「女モロ」の異名を取ったジュイーザ・セウマ上議も、フラヴィオ氏が判事たちの不正に関する議会調査委員会開設要望への署名取り下げを迫ったことを不満としてPSLを離党し、ポデモスに移籍した。