【既報関連】ブラジル連邦上院が先月21日に承認した「経済的自由のMP」こと暫定令881号(MP881/19)が、4項目拒否の上、ボルソナロ大統領によって20日に裁可されたと、21日付現地各紙が報じた。
裁可にあたり、大統領は「このMPは『おかげで初めて職に就けた』という性質のものではなく、『おかげで初めて事業を起こせた』という性質のものだ」と語った。
同MPは、17年に成立した改正労働法を補強する内容や、起業や廃業のための手続きを簡素化する内容で構成されている。
また、雇用者側と被雇用者側の関係を縛っていた法律を緩やかにする項目も含まれていたが、「4週間おきに日曜日に休みを与えれば、週1日の休みは必ずしも日曜日でなくてよい」は審議過程で取り除かれた。
大統領が拒否した項目は、同MPの施行時期に関するものや、条件次第で環境保護ライセンスを企業に自動的に与えるとしたものなどで、大勢への影響は少ない。
「今後10年間で370万人分の雇用創出と、国内総生産(GDP)7%アップが見込める」と語っていた経済省行政簡素化特別局のパウロ・ウェベル局長は、「同MPで全ての問題を解決できる訳ではないが、経済の自由化や雇用流動化など、我々の望む道筋を示してくれる」と語った。
同MPにより、企業は1人のソシオだけで設立できるようになり、最低資本金の規定もなくなった。また、従来は10人以上の従業員を抱える会社に課されていたタイムカードによる就労時間管理義務が、「従業員20人以上」に緩和された。同MPでは労働手帳の電子化も規定されている。
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