ニューヨークの国連本部で23日、「気候行動サミット」が開かれ、ブラジルのパロマ・コスタさん(27)が「具体的な行動を!」と訴えたと24日付ブラジル国内紙が報じた。
スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)は同サミットでも演説し、「空虚な言葉が私の夢と子供時代を奪った」「私達を失望させたら許さない」として、各国の指導者への警告を発した。
会議冒頭ではグテレス国連事務総長が「今回は対話でも交渉でもなく、行動するためのサミット」とし、各国に具体的な計画を提示するよう求めた。欧州諸国は積極的な姿勢を示したが、1992年のEco―92開催国で、Rio+10、Rio+20も開催、気候変動関連の国際会議には欠かさず出席し、パリ協定にも署名したはずのブラジルは、姿勢が一転し、国際社会から孤立した状態になっている。
Eco―92をコーディネートした外交官のマルコス・アザンブジャ氏は、92年から貫いてきた立場を崩した事で、ブラジルは国際社会の信頼を失い、不信感に満ちた目で見られるようになったと警告。「ブラジルが得るものは何もない」と言う。
そんな中、グテレス氏の指名で、21日の「国連若者気候サミット」で開会演説を担当、環境行動サミットでも演説したのがパロマさんだ。彼女はブラジリア大学法学部の学生で、社会環境研究所のメンバー。非政府団体エンガジャムンドでは気候問題のコーディネーターも務めている。
彼女は先住民リーダーのアイルトン・クレナック氏に言及し、「先住民は何年間も開発の波や環境破壊に抗ってきたが、私達はどうか」「若者は森林伐採をする企業では働かず、声を上げる。若者は態度を変えたが、あなた達はそれに倣おうとしていない」とし、地球を苦しめている変動への各国の対応を求めた。
「アマゾンの森林火災に驚き、森林や先住民のために祈る人は大勢いたが、具体的な行動は不足している」と訴えた彼女は、「環境活動家は脅迫されたりしているが、私は気候変動で死ぬ事の方が怖い」とも語った。
彼女は環境問題に関する啓蒙活動を行い、環境関連の科目をカリキュラムに取り込むよう働きかける一方、気候変動の影響を受けている先住民部落などを自転車で訪問する活動も実施。ブラジル政府が「温室効果ガス排出量の見直しはしない」と言う中、「国内でやれるだけの事をする。何もせずに人に責任を転嫁する事は出来ない」と語った。
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