生長の家ブラジル伝道本部(向芳夫理事長)は「第33回ブラジル生長の家全国大会(日ポ両語)」を15日、サンパウロ市のアニェンビー国際会議場で開催した。リオ・グランデ・ド・スル州、パラー州など全伯から約2500人が出席し、信者らは講師の講話を聴き、教義への理解を深め、同志との交流を深めた。
当日は、今大会のテーマ「愛はすべてを変える」に沿って、講師による講話、聖歌合唱、動画上映などが行われた。来賓として野村アウレリオ・サンパウロ市議、羽藤ジェオルジ・サンパウロ市議、ブラジル日本文化福祉協会の石川レナト会長らも出席した。
午前8時40分頃から開会式が行われ、壇上で信徒が日伯の国旗、ブラジルの州旗、支部旗を掲げてさっそうと入場し、向理事長や国内各支部長ら代表者が登壇した。会場一体となって日伯両国歌を斉唱し、大会は厳かに幕を開けた。
向理事長は愛の実践についてのエピソードを紹介した。ある時、家賃滞納で明日には部屋を追い出されると泣いている友人を連れた信者が、向理事長の下を訪ねた。向理事長は信者に「友人を心から思うなら2人で部屋に残り、朝まで聖典を読んで祈りなさい」と告げ信者はそれに従った。
翌朝、管理人が部屋を訪れたが、友人の家賃滞納の理由が、病気の母の治療費支払いによるものと分かり、和解して家を追い出されずに済んだという。「祈りによる神のご指導があったのだ」と向理事長が締めくくると、会場から大きな拍手が起こった。
ラテンアメリカ教化総長を務める西山文雄本部講師は、「愛は家庭、社会、自分の運命や環境をも変えられる。私たちが神に祈るときには、自分だけのためでなく、人を愛し、人のために祈りましょう」と呼びかけた。
講話を行った村上真理枝本部講師は、生長の家が目指す「自然と人間の共生」を達成するために「全てのものは神において一体でつながっているのだから、他から奪わず与えること。また物を買い過ぎず、持ち過ぎないこと。安い品物の裏には環境破壊や劣悪な労働環境を想像すること。地産地消、家庭菜園を行うこと」とアドバイスを贈った。
会場に来ていた大坪静子さん(92、二世、サンパウロ州リベイロン・ピーレス市在住)は、今でも毎週勉強会に参加する。生長の家における最高位の褒章「二重光輪賞」も10年前に受賞した。「周囲に愛を与えて調和することが大切なの。それを皆が実践することで、平和を迎えられるのよ」と穏やかに語った。