25日~26日に、最高裁で「ラヴァ・ジャット作戦(LJ)のこれまでの判決を変えうる」審理が行われ、11人の判事中10人が票を投じた時点で、7人が報奨付供述に基づく裁判の進行のあり方を見直すよう求め、「変わりうる」が優勢となった。これは、LJ担当判事だったセルジオ・モロ法相の判決への信頼性が揺らいだことを示す。また、これにより、ルーラ元大統領の釈放などが起こりうることから反発の声もあがっている。26日付現地紙が報じている。
これは、8月27日に最高裁第2小法廷で行われた、元ブラジル銀行頭取で、ペトロブラスの総裁でもあったアウデミール・ベンジーネ被告の裁判で、18年3月にパラナ州連邦地裁でモロ判事(当時)が下した判決を無効とした例に基づき、「報奨付供述を基にして起訴された被告に対するLJ裁判の判決は変わりうるか」を、大法廷で問うものだった。
第2小法廷は、18年3月のベンジーネ氏の裁判の最終段階で、被告が行った最終請求の時間が報奨付供述を行った被告に与えられた時間と同じだった(供述者の後の抗弁を拒否された)ことを不服とした同被告の訴えを認め、モロ判事の判決を無効としていた。
今回の審理では、第2小法廷での審理の際も報告官をつとめ、最高裁内でのLJ担当判事でもあるエジソン・ファキン判事が、「報奨付供述者と供述内容を基に起訴された被告の弁論時間に差をつけるべきだと定めた法律はない」し、「供述者が提供した情報を特別扱いすることはできない」から「判決は変えるべきではない」との見解を出した。同判事は、第2小法廷の際にも「モロ判事の手続き上に問題はない」としていた。
だが、アレッシャンドレ・デ・モラエス判事が「供述者の弁明後の弁明を認めないのは自己弁護の権利を奪う」から「被供述者には供述者の後に語ることを認めるべき」との見解を示すと、カルメン・ルシア、ローザ・ウェベル、リカルド・レヴァンドウスキー、ジウマール・メンデス、セウソ・デ・メロ判事が賛同し、過半数の6に達した。ファキン判事についたのはルイス・アルベルト・バローゾ、ルイス・フクス判事の3人だ。
同審理はジアス・トフォリ長官がモラエス判事についた時点で、途中退場のアウレーリオ・メロ判事を残して中断。最終結果は来週(2日)に持越しとなったが、覆る可能性は少ない。
今回の結果はバローゾ判事が「汚職をした人に有利になる」と反抗したように、世論の強い反論を招きうる。26日の審理直後には、下院のLJ支持勢力が遺憾の意を表した。国民の関心が特に強いのは、アチバイアの別荘関連の裁判が無効化され、ルーラ元大統領が釈放されるか否かだ。
今回の最高裁の結果には、サイト「ジ・インターセプト」が行っているLJ関係の実情暴露報道が影響している。最高裁判事たちは以前から、モロ氏の検察との密着ぶりや政治的嗜好に関する疑惑の報道を問題視する発言を行っていた。