ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》アマゾン火災問題で、食肉業者がボイコット危惧=「違法伐採地の家畜は使わず」と主張

《ブラジル》アマゾン火災問題で、食肉業者がボイコット危惧=「違法伐採地の家畜は使わず」と主張

ブラジル北部パラー州の食肉加工場(参考画像・Bruno Cecim/Ag. Para)

 【既報関連】ブラジル政府のアマゾン火災沈静化への取り組みが不十分だと非難し、ブラジル産製品輸入をボイコットする動きが国際的に広まりつつあるため、ブラジルの主要食肉メーカーのJBS、マルフリグ、ミネルヴァなどが、大規模なブラジル産食肉輸入ボイコットに発展しないよう、合同キャンペーンを計画していると、27日付現地紙が報じた。
 ブラジル農牧供給省や各企業は既に、サウジアラビア、ドイツ、エジプトから、「ブラジルの肉は、違法な森林伐採で開発された土地で育った家畜を使って生産されたのでは?」という質問を非公式に受けている。
 大手食肉輸出企業は、品質や検査体制が一定以上のレベルを保っているかをチェックされ、認証を受けている。
 しかし、各企業は、アマゾン危機のせいで輸入ボイコットが起きることや、国際投資家が資金提供をストップさせることに危惧感を持っている。
 マルフリグ社は、2カ月前にグリーンボンドを発行して5億ドルの資金を調達した。グリーンボンドとは環境保護活動、環境持続性維持活動に特化した債券で、資金の使われ方が厳しくチェックされる。
 JBSやミネルヴァも同じ手法での資金調達を狙っているが、「ブラジルは環境保護に本腰ではない」というイメージが国際的に広がると、それも難しくなる。
 ブラジル食肉輸出業者協会(Abiec)は先週、英フィナンシャル・タイムズ紙、米ニューヨーク・タイムズ紙に全面広告を打ち、「ブラジル産食肉は違法な森林伐採で拓かれた牧草地由来の家畜は使っていない」と伝えることを決めた。しかし、20日には、問題はもっと広範囲で、ブラジル産農産物全体、ひいてはブラジル政府の姿勢に関わるとして、Abiec単独での広告は取りやめた。
 Abiec幹部のリエジェ・ノゲイラ氏は、「畜産業界だけの問題ではない。ブラジル農業ビジネス協会(Abag)などと連携し、ブラジル気候・森林・農業連合の一部として活動している」と語った。同氏は、食肉輸出業者は外部からのいかなる疑問の声にも答える用意ができているとした。