9月初頭に北東部の海岸で見つかり、26日の時点では8州105海岸を汚染している事が確認された原油により、海洋動物の死や人体への影響を懸念する声が広がっていると26、27日付現地紙、サイトが報じた。
コールタールのような黒いしみは原油で、2日にペルナンブコ州のオリンダ、イポジュカ両市で発見されて以来、各地からの通報が相次いだ。
26日までに原油漂着が確認されたのは、南はセルジッペ州、北はマラニョン州に至るまでの8州48市で、105海岸が汚染されているという。
海岸部での原油発見以来、国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)は、連邦直轄区消防や海軍、ペトロブラスなどと協力し、成分調査や回収作業などを進めている。Ibamaによると、北東部の海岸を汚している原油は、ブラジルで産出したものではなく、原油を運ぶ船がタンクを掃除した際に出た原油のカスなどを不法投棄、または、誤って海に流した可能性が考えられるという。
原油は硫黄や窒素、重金属などを含んでおり、直接触れると、皮膚呼吸を妨げる上、これらの成分による健康上の被害も受けかねない。
また、海岸部で原油が発見されているという事は、海洋も汚染されている事を意味する。実際、原油で全身を覆われたウミガメや羽が汚れて動きが取れなくなった海鳥が保護されたりしている。26日現在、少なくともウミガメ6頭が死亡し、海鳥も1羽死んでいる。
人体への被害の報告はまだないが、海岸を歩いていて原油に触れた場合は速やかに洗浄する必要がある。Ibamaは海水浴客や漁師達に、地上や海上で原油を発見したら、速やかに場所を知らせるよう求める通達も出している。
現時点では、原油による海産物の汚染は報告されていないが、国家衛生監督庁は、汚染の可能性を理由とした魚などの消費停止勧告は環境省の管轄としている。
原油で汚染された海岸の数は増える可能性があり、人体や生態系への影響が広がる事を懸念する声も広がっている。