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ペルー=議会指名の暫定大統領が辞任=混乱はさらに深まる

 【既報関連】大統領による共和国議会の閉鎖に議会が大統領停職で反抗する異常事態となっていたペルーで、1日、議会が指名した暫定大統領のメルセデス・アラオス氏が辞任を宣言。混乱が深まっている。2日付現地紙が報じている。
 アラオス氏は18年3月にクチンスキー前大統領の第2副大統領に就任し、その後はヴィスカル大統領の副を務めていたが、9月30日に議会からヴィスカル氏の停職処分に伴う形で、暫定大統領に指名された。
 1日には就任式も行われたが、アラオス氏は同日夜、「自分にはそのような役職は務められない」として辞任した。アラオス氏は副大統領そのものも辞任した。
 議会によるヴィスカル大統領の停職処分は、共和国議会の全議員(130人)のうち、86人しか参加しない中で決定されていた。
 一方、同国の陸軍と警察は1日、ヴィスカル大統領を支持することを表明。議会の入り口には朝から警官が立ち、議員の出入りを阻止した。
 今回の大統領と議会の対決は、議会最大勢力でヴィスカル大統領にとっては野党にあたる人民勢力党が、同国最高裁判事6人の選出に際して息のかかった人物を指名し、収賄罪で逮捕された同党リーダーで前回大統領選候補のケイコ・フジモリ氏をはじめとした同党の政治家への捜査無力化を狙うと疑われたことが、直接的な引き金になってはじまった。