日本のNHK紅白歌合戦にも出場した大人気演歌歌手・北山たけしのブラジル初公演「北山たけしブラジル移民111周年記念スペシャルコンサート」(池田マリオプロダクション主催)が9月29日午後、パラナ州アサイ市のアサイ文化協会会館で行われた。人口約1万5千人の小さな町に、約350人が詰めかけ、会場は大いに盛り上がった。
北山たけしは自身のオリジナル楽曲の他、師・北島三郎の『与作』や日本演歌歌手の有名曲、歌謡曲『上を向いて歩こう』、童謡『ふるさと』などを熱唱。最後は北島三郎の代表曲『祭り』で締めくくり、観客と大合唱を響かせるなど、会場は熱気に包まれた。
同じく来伯した三味線奏者・福居一大とのコラボや、太鼓、尺八の演奏、殺陣も披露し、拍手喝采が送られた。
公演中には客席に降り、観客に囲まれながら歌うサービス精神も見せ、ファンからハグを受ける場面も見られた。
当日司会を務めた吉田国広さん(74、二世)は「大盛り上がりで二度とないような素晴らしい公演だった」と絶賛。林田マルシオさん(59、三世)も「北山さんは客席に来てくれて、常に笑顔で優しい方だった。公演もとても良かった」と楽しんだ様子。
公演では北島三郎からのビデオメッセージも公開された。北島三郎は1984年、サンパウロ日伯援護協会傘下の日伯友好病院建設予定地購入のためにチャリティーショーを行っている。北島三郎は84年の来伯を振り返り「またブラジルの日系社会に行きたい」と観客に思いを伝えたという。
公演ではアサイ市議会から感謝状、ブラジル歌謡連盟から表彰状が北山たけしに贈呈された。
今週末の6日には、サンパウロ市のブラジル日本文化福祉協会大講堂で2回公演を行う。
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日本の演歌歌手・北山たけしは9月29日、パラナ州アサイ市でコンサートを行ったが、実は同日、同じ州内で別の大きな歌謡大会が開催されていたとか。にもかかわらず、こちらのコンサートは大盛況で幕を閉じ、観客は口を揃えて素晴らしかったと語った。本当は事前に日程調整ができていれば、双方にとってもっと良かったのでは。
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サンパウロ日伯援護協会によれば、北山たけしは4日、援協傘下の日伯友好病院を訪問する予定だそう。同病院には、1984年に北島三郎が同病院建設予定地購入のため、チャリティーショーを行い、その際に植樹したイペーと桜の木が今も残っており、北山たけしも4日に記念植樹を行うとか。北島三郎は体調の都合により来伯がかなわなかったが、次は師弟豪華共演を実現してほしいところ。