サンパウロ新聞社で福岡支局長を勤めていた吉永拓哉さん(42、福岡県)が来伯し、友人の嵐よういちさん(50、東京都)と赤山貴文さん(42、北海道)と共に本紙を訪れた。
吉永さんは、昔地元福岡で暴走族副総長を務め、19歳で少年院送致となった特異な経歴を持つ。20歳で南米のエクアドルに渡り、ペルー、ブラジルなどを転々としながら、現地の日系社会と交流を持っていった。
04年にサンパウロ新聞社に入社し、06年に帰国後はサンパウロ新聞福岡支局を立ち上げた。現在は海外送金サービスを提供する「KYODAI博多店」の経営や、福岡市中心部の繁華街・親不孝通りの町内会長を務めている。
「来年、福岡県から外国へ子どもたちをホームステイさせる事業を始めることになり、受入国で真っ先に手を上げたのがペルーだった。そこで1週間視察に行き、9月22日にブラジルへ着いた」と来伯経緯を語る。
滞在中は「昨年廃刊となったサンパウロ新聞を見たり、高齢の日本人移民の方々に挨拶したい」と笑顔を見せた。
一緒に来社した旅行作家、旅行ジャーナリストの嵐さんは、バックパッカーとして世界70ヵ国以上を回っており、その筋では相当に有名な人物。60万冊も売れている人気シリーズ『海外ブラックロード』(彩図社)には、ブラジル情報もたっぷり書かれており、世界各国の中でも「サンパウロのリベルダーデが大好き」と言うほどブラジルを気に入っているという。
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吉永拓哉さんと共に来社した旅行ジャーナリストの嵐さんは、世界40カ国以上を歩き回った後に、その体験を書いてベストセラーになった。その紹介を読むと《ボンベイのぼったくりタクシー、ブダペストのネオナチ、ハノイのタカリ、エルサレムのジャップ攻撃、モンバサの強盗、差別の国コスタリカ、NYセントラルパークの変態野郎、バンコクの群犬、侮蔑的イスラエル入国検査、アトランタ獄中記》など破天荒な経験を重ねている。そんな人が「リベルダーデには何十年か前の日本のような温かさを感じる。移民をもっと知ってもらうために、自分のネットラジオ『海外ブラックロードpodcast』で移民の話をするつもり」と東洋街を気に入っている様子。リベルダーデの魅力を、日本の若者に向かって発信してほしいところだ。